2012年10月31日水曜日

ぼくたちのインターン日記2012(その2):スタジオ視聴会

こんにちは!インターン修行中の田中です!

インターン生田中、プロの作曲家を目指して日々勉強しているのですが、今回なんとチーフ・エンジニアの森崎さんに自作曲の視聴会をしてもらいました!!サイデラ・マスタリングこだわりのモニターシステムで自分の曲が聴けるのは、とても貴重な体験です。僕はミキシング、マスタリングに関する知識があまり無く、良い音を学ぶためにサイデラ・マスタリングに来たということもあって、これはもう願ったり叶ったりです。今日はそのなかでも特にオイシイお話をピックアップしたいと思います!

今回テーマになったのはキックの音づくりについて。アンサンブルを構成する上で帯域の根底となるキックですが、音作りなくして上物は乗りません。

ポイントとなるのは、リリースタイムの長さ。キックのアタックに続くLow成分のサスティンが長いと、すぐ上にのるベースが埋もれてしまいます。「ドーン」ではなく「ド」。リリースを短く切ってあげることでベースのラインが引き立ち、上物がよく聴こえるようになります。決してリバーブ過多のような状態にはせず、あくまでドライ。スーパードライ辛口。低音の成分は意外とディストーションギター等のコード楽器で補えるようです。

そしてアタック感。ビーターがバスドラムのヘッドに当たるような、「パツッ」「ペチッ」という高域の成分は、メリハリがあるように見えて実は上の帯域に思いっきり干渉しているらしいのです。そんなことをするよりも、もっと角を丸くした、布団をたたくような音にするとよいとのこと。このあたりのテクニックはある程度ジャンルに関係なく使えるらしいので、どんどん挑戦したいですね!

これを例えると森崎さんがお客様と会話をしている隣でひたすら座布団をグーで叩き続ける田中がいるとします。非常にシュールな絵ヅラですが便宜上そういう仮定のもと話を進めさせていただきます。座布団を叩かれる分にはまだ会話はできるとばかり思っていたら、今度は田中がコップの乗った机をバンバン叩き始めました。営業妨害としか思えませんね。今度ばかりは”おい、相手の声がきこえないからやめてくれ”と言いたくなります。

これこそが帯域のかぶりです。高域の成分が抜けてくることによって、ボーカルをはじめとする上物を消してしまうのです。なので、なにかオケを作ったらそれを流しつつおしゃべりしてみるのもいいかもしれません。相手の声が聞こえにくいようなら、なんらかの楽器が近くの帯域にいる可能性があります。(話し声と歌声はだいぶ違いますが、そこは相手に常時1オクターブほど上げていただきましょう。ぼくが辛そうな顔をしても目を合わせてはいけません。)

帯域のかぶり。ミキシングではよく聞く言葉の一つですが、その意味を体感し理解することが大事です。きっと僕のような若手には、知識だけが先行して、わけもわからずEQポイントを探している人も多いのではないでしょうか。

本を読むよりも先に体感、です。今日はそのことを身にしみて感じた一日でした。


いやぁ、今回は真面目に書いたなぁ。一言の冗談も書いてないや。

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2012年10月23日火曜日

AURAL SONIC: A presentation by Seigen Ono_07

Now AURAL SONIC studio can be travel with you!
See 4 feet bag (2 peaces in one) and 3 feet bag (3 peaces in one).

You can divide as you see.

Self stand unit. Easy to connect to extend vertical way or horizontal direction. May as you want.

You don't hear the reflection inside AURAL SONIC. He is our internship (program complete this weekend), 22 years old, 178cm height.

Hard to believe ... what's going on.

So simple, easy, practical means valuable!


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2012年10月17日水曜日

DJ ZAI FROM SIMI LAB/CAPITAL Z


チーフ・エンジニアの森崎です。

「DJ ZAI FROM SIMI LAB/CAPITAL Z」のマスタリングをさせて頂きました。

まずはミックス音源を聴きながらマスタリングの方向性決めをしていきます。DJ ZAIさんのリクエストは「PC内でミックスしているのでローエンドとハイエンドが出過ぎているように感じます。そこをバランス良く仕上げて欲しいです。」

音作りのポイントは二つ!

一つ目は、ローエンドとハイエンドの処理です。普段はEQで処理することが多いのですが、今回はアナログ・テープレコーダーSTUDER A820をインプット・スルーにしてアンプのみを通しました。そうすることでローエンドとハイエンドが自然に落ちたかまぼこ型のバランスになります。実際にアナログ・テープを通すのとはまた違う、中低域に厚みのあるパンチのあるサウンドを得られます。


二つ目は、MacとHDDをつなぐFireWireケーブルの選択です。PC周りのUSBやFireWireケーブルもとても微妙ですが、アナログケーブのようにそれぞれ音色が違います。DJ ZAIさんが持ち込んだはオヤイデ製のケーブルでレンジが広くきれいな印象です。それに対し僕がいつも使用しているLACIE HDD付属のケーブルはまとまりがあり輪郭がはっきりした印象です。じっくり聴き比べた結果、後者を採用しました。

Pro ToolsプレイバックのDAコンバーターからSTUDER A820のをつなぐケーブルはアクロテック8Nケーブルを使用して、HIP HOPにふさわしいボーカルの力強さ、抜けをプラスしました。

機材やケーブルはそれぞれ独自のキャラクターを持っています。これらの特徴を活かしてマスタリングすることでEQでは得られない微妙なニュアンスまで再現できます。マスタリング作業に先入観は禁物です。高級なケーブル、機材を使用することではなく、アーティストが求めているサウンドを得られることが重要です。先入観なく自分の耳でしっかり聴き、音楽がリスナーに一番伝わるサウンドに仕上げることが大切です。そのためには自信を持って音作りするには色付けないモニター環境が必要不可欠ですね。






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2012年10月11日木曜日

ぼくたちのインターン日記2012(その1):初めての渋谷の話


はじめまして!インターンシップ生の田中航です!

僕は10月の一ヶ月だけ、専門学校からインターンにきているのですが、初めて訪れる東京に戸惑うことばかり。そんなわけで、まずは周辺の地理を理解しようということで先日、インターンの先輩であるノリタケさんと一緒に渋谷近辺を下見してきました。そう、渋谷です。かの有名なハチ公様がおわす所です。日本のかっこいい街No.1の渋谷です。

お昼頃にサイデラを出発し、まずはハチ公バスに乗ります。セイゲンさんイチ推しのハチ公バスですが、この乗り物に関しましては去年のインターン生である川口さんが詳しく書いておられる都合上、同じことを書くのはなんだかシャクなので割愛させていただきます。
http://saideramastering.blogspot.jp/2011/12/20112.html
川口さんは僕の学校の一つ上の先輩なのです。

そんなこんなでバスを降りた場所は、渋谷区役所前。ひとまずここからRock oN Companyさんのお店へいきます。このお店、品揃えがすごいです。さすが東京です。渋谷ですよ。言い忘れましたがわたくし名古屋という日本でも類を見ない中途半端な地域から来ました。見るもの全てが物珍しくて仕方がありません。

その後、インターン中に訪れるであろう主要なおつかいポイントを押さえつつ渋谷散策。すると困ったことに、雨が降ってきました。この日は台風が接近していたので、僕達若手インターン生は傘を持っていましたが、ノリタケさんは『俺は傘ささなくてもいいから』と言って突き進んでいました。さすがです。先輩の風格を感じさせます。水も滴るいい男です。けっこう降っていたんですが。やはり男の格が違うなと思いました。

(『俺は傘なんかいらねぇ』己の道を突き進むノリタケさん)

雨の渋谷もなかなかいいものです。風情がありますね。なにせ渋谷です。何をしてもかっこいいのです。あ、言い忘れましたがわたくし出身は九州の佐賀県という正真正銘の田舎者でございます。ですね。

すると渋谷駅近くでびっくりするような出来事が!お上りさんの田中にフジテレビのめざましテレビさんが街頭インタビューをしてくれたのでした!
問『近頃ネコミミファッションが流行ってますが、どう思いますか?』
答『いいんじゃないですか〜?かわいいと思いますよ。にゃんにゃん♥、みたいな?』(※OAではカットされました。なにかまずいことを言いましたでしょうか)

とまあそんな感じで初めて見るものばかりで興奮しきっていた渋谷下見なのでした。渋谷。ですね。最後になりましたが、これから一ヶ月間、サイデラ・マスタリングのスタッフとして頑張っていきます!よろしくお願いいたします!!

(結局傘買ったノリタケさん)
(◎-◎)


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2012年10月4日木曜日

KORG未発表製品で5.6MHzDSDネイティブ再生@秋葉原 Le Tabou



どうもMUSHです!

昨日は秋葉原は万世橋の裏にひっそりと佇むLe Tabou(ル・タブー)さんで、「DSDネイティブ再生」と題したワークショップが開催されました。内容はKORGの未発表製品を使用しての5.6MHzDSDサウンド試聴会!サイデラ・マスタリングよりオノ セイゲンがゲストとして参加、KORG 5.6MHzDSDネイティブ再生対応DAC「DS-DAC-10」とmusikelectronic geithain ME901KAでの再生試聴となりました。


こ、これがKORGの5.6MHz DSDネイティブ再生DAC、、!個体の大きさはKORG MR-2000Sより奥行き半分、幅3分の1くらいでしょうか。リアにRCAのアナログアウト(ボリューム固定)とフロントにヘッドホンアウトとヘッドホンアウトのボリュームが。MR-2000Sのヘッドホンアウトのサウンドがクリアで素晴らしいので個人的には昨日は聴けなかったヘッドホンアウトの音も気になります!KORGのご担当者は「来月(11月)にでも発売できればいいなぁ」なんて言葉を濁していましたが、これは注目の製品です。5.6MHzDSDネイティブ再生に対応するAudioGateは発売に合わせてバージョンアップがあるとのこと。

秋のヘッドフォン祭り2012でもお披露目されるとのことなので要チェックです!ただ個人的にはもっと若い世代の方にもこういうイベントにどんどん参加していただきたいなと思いました^^; Le Tabouのみなさん、KORGのみなさん、ありがとうございました!




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2012年9月26日水曜日

オーディオテクニカ主催 第5回「めざせ音匠 マイク指南塾」 レポート(その2)



インターンのノリタケです!

今回御茶ノ水にあるオーディオテクニカのアストロスタジオにて開催された、第5回「めざせ音匠 マイク指南塾」に参加させていただきました。今回はゲスト講師に堀真慈さん、琴奏者の三塚 美穂子さんと尺八奏者の三塚幸彦さんをお招きしての開催でした。

今回の会場であるアストロスタジオはとてもすばらしい外観の建物で、スタジオ内には一度は見た事のある機材がたくさん置かれていました。もちろん社内は全面禁煙。サイデラ・マスタリングも全館禁煙です。

まず始めにマイクの解説です。今回は主にaudio-technicaの40シリーズの解説をしていただきました。40シリーズはaudio-technicaの代表的なライン。audio-technicaの歴史が詰まっているマイクです。「ウェーブ・ダイアフラム」などさまざまな革新的な技術が詰め込まれています。コンデンサーマイクは基本的に湿度に弱いのですが、40シリーズは防湿対策がしっかりされているので様々なシーンで使用できることが特徴です。

そして次に琴と尺八の解説です。琴(こと)は本来正しくは、箏(そう)と呼ばれ、13本同等の太さの糸からなり、柱(じ)というもので糸を支え音程を決めます。ほとんど琴は桐から作らています。音の特徴として指向性はほとんどなく余韻があります。もう一つ西洋音楽の影響を受け、低音のでる琴が17弦琴。大きさも一回り大きくチェロのような低音がでます。尺八は西洋楽器でいうフルートのようなものです。穴からの音、息を吹いたときの音など単純に穴からの音のみではないということです。「たまにサックスの録音で穴にマイクを立てる人がいるが、あれは間違っている。」「あとは息を吸うときの音をノイズとして捉えるか、音楽としてとらえるかそれは録音側の好み」とのことでした。

マイク、楽器の解説が終わり、最後に堀さんからの録音アドバイスをいただき実際にレコーディングに入りました。2人1組にわかれ先ほどの解説を参考に、それぞれの楽器に最適なマイクを選んで録音、という初めての貴重な経験でした!

僕らが選んだマイクは琴にNeumannのU87を2本 、尺八にはaudio-technicaのAT4050。琴にNeumannのu87を選んだ理由は率直に言うと使ってみたかったからです。こちらを琴の高音部、低音部に1本ずつ無指向性で使用。尺八のAT4050は単一指向性で使用。まずそれぞれ適当な場所にマイクを立て、スタジオ内のモニターで音を確認しながらマイクの位置を微調整し自分たちが最適だと思う場所に設置しました。もう一つ、アンビエンスマイクとしてaudio-technicaのAT4050STというものを使用しました。AT4050STはMSとXY方式で録れるステレオマイクです。今回はXY方式で使用。マイクの位置も決まり録音開始!演奏曲は「春の海」(お正月によく流れる曲)でした。

そして4組のレコーディングが終了しそれぞれのチームの録った音を視聴しました。まず始めに僕らの録音を皆で視聴しました。最初のレコーディングにしてはなかなかの録音です!しかも初めてのレコーディングが琴と尺八とは!!とても貴重な体験でした。堀さんの感想はというと、「良くも悪くも平均的な音、しいて言えばNHK的な録音。褒めてるんだよ。」簡単に言えば何の特色もない音という事でしょう。自分達にとって、最初にしては上出来だと思いました。

最後に、堀さんの言葉がとても印象的でした。「最近、いい音を求めるエンジニアは多いが、いい音楽を求める人が少なくなってきている。いい音楽はいい演奏から、昔のJAZZなどのレコードが今も愛され続けられているのはすばらしい演奏だったから。」




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2012年9月24日月曜日

オーディオテクニカ主催 第5回「めざせ音匠 マイク指南塾」 レポート(その1)



インターンの福元です!

9月19日昼過ぎ。御茶ノ水・湯島天神そばにあるオーディオテクニカ「アストロスタジオ」へ行ってきました!そこで、日本古来の楽器、筝(いわゆる、琴)と尺八の録音を試みました。オーディオテクニカ主催「第5回めざせ音匠 マイク指南塾」参加レポートです。

まず、僕は和楽器の録音経験がありません!講師の堀真慈さんによる楽器とマイクについてのレクチャーを聞きました。そして、それぞれ尺八、筝の奏者である三塚幸彦さん・美穂子さん夫妻に対して、普段どのような音の録られ方をしているか、自分が良いと思う録音音源はどのようなものかなどを参加者が各々インタビューしました。筝と尺八。元々は、四畳半ほどの和室で演奏されることを想定して作られた楽器です。現在に至るまで、多くの改良(ピックアップがついたり!)がなされているが、“音”の出方はいわば無指向性、更に300~500人規模のホールでの演奏となると、本来の聴こえ方からはほど遠いものになるという、基本的には古来から構造を変えていない楽器と言えます。


さっそく録音です!和楽器の録音経験を持つトップ・エンジニアは少ないといいます…。どうしよう、目の前で素晴らしい和楽器の音が。これをばっちり録音して伝えるには…
筝の裏にある「音穴」と呼ばれる穴にマイクを突っ込みます。

ガリガリ!

生々しい音が!このような爪弾きの音、筝の材料である檜自体の音は「音穴」からは良く聞こえますが、こうした音は、奏者の三塚美穂子さんによると録られるのを好まぬそうです。失礼いたしました!><;

ということで、奏者寄りの少し左側と、対称な位置の2か所に双指向性リボンマイクを設置。尺八にはオーディオテクニカAT4081を、奏者から70センチ離した位置に設置。結果は…
「さっきより自分が演奏しているときに聞いている音と近くなった」(三塚幸彦さん)
「(尺八が添え物の様になっていたため)筝のアルバムを作るには良いかも!」(三塚美穂子さん)
ありがとうございます!こうして、演奏の鮮度が落ちないうちに、時間内に正しくマイクをセッティングする、という録音の基本、第一歩を実感出来たセミナーでした。講師の堀真慈さん、三塚幸彦さん、三塚美穂子さん、オーディオテクニカの皆さん、本当にありがとうございました!

それでは、チャオ!






PS. 閑話休題
先週、大学のゼミ合宿で軽井沢へ行ってきました^^僕はW大学K沼教授のゼミに所属しており、ゼミとしては「軽井沢」というタイトルの小文を、軽井沢を一日自由行動!して、課題として書くといったことをしました。感性を磨く、そういうことが集団行動の中でも各々自由にできたことはゼミ長として充実感を感じています。
その日一番盛り上がったのは、ウイスキー、カンパリ飲んだくれた飲み会!の後!僕等より先に部屋へ戻ったK沼教授から電話が。

K沼教授:いま、外のテニスコートのベンチあたり行ってみ?スゴイことになってるぜ(おそらくにやけている)
福元:わかりました!見に行きます!!
ゼミ生たちを連れ、みな酔っ払いへべれけで外へ。テニスコートに到着。なにやら蠢く人影が?!血気盛んな大学生の事、、これはもしや?!?!

もっとも酔っぱらったゼミ生A:しーっ、ほふく前進~!!←ここらへんからもう異常
一同:(小声で)らじゃー!←夜の露したたる芝生で全員ほふく前進開始。
へべれけゼミ生B:おいっ、押すな、わ~~!!!←B、テニスコート前の芝生の傾斜を転がり出す。
一同:撤退っ!撤退~~!!!
一同:わーーーっ!!!…と駆け出す。



結局、ただ何人かがテニスコートのベンチでしゃべっていただけだったと判明しましたが、スリル満点の夜となったのです!K沼教授は僕たちに何をけしかけようとしたのでしょうか?!しかし、ひとしきり盛り上がりを見せた後、僕は教授にお礼の電話を入れたのでした!

福元:とても盛り上がりました!ありがとうございました!
飲み会でも働くということについて、自身の経歴を含めて全てお話しいただき、みな勉強になりました!本当にありがとうございました、この場を借りて!

2012年9月20日木曜日

「かせきさいだぁ/ミスターシティポップ」アナログ・ハーフインチを通したマスタリング


チーフ・エンジニアの森崎です。昨日発売の「かせきさいだぁ/ミスターシティポップ」のマスタリングをやらせて頂きました。このアルバムのサウンドは明確なコンセプトがあり、エンジニアのillicit tsuboiさんからのリクエストは二つありました。

1.「音の狙いは70年末のニューミュージック(ナイアガラやTIN PAN ALLEY)的な傾向だけど2012年な感じになると嬉しいです。全体音は柔らかめ(EQで柔らかくではなく、アナログに通した質感)で、レベルもそんなに入れなくて、レンジ重視でお願いします。」
2.Pro Toolsのアウトプットを一度アナログのハーフインチに通すこと
→サイデラ・マスタリングのFacebookにその様子を公開!
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.362262477176239.76368.170661743002981&type=1&notif_t=like

ミックス音源は32ビット(float)/96kHzのWAVファイルで、アナログ・ハーフインチテープはtsuboiさん所有の3M 996を持込みいただきました。サイデラ・マスタリングのアナログ・ハーフインチ・テープレコーダーはSTUDER A80です。同じSTUDERのA820と比較して低域が豊かで艶のある、よりオールドテイストなサウンドがします。レコーダーは15ips(38cm/s)、250nWb/m+4dBに調整。入力レベルはVUメーターがピークで+2程度に触れるようにしました。

機材のセットアップが済んだら次は機材の選択です。Pro ToolsのアウトをRME FIREFACE UFXでDA変換してそのままSTUDER A80にインプット。普段はRMEのAESアウトを外部DAコンバータでDAしますが、今回はとてもシンプルにしました。なぜならこのアウトプットが最もナチュラルで柔らかい質感のサウンドを得ることができたからです。ケーブルはすべてCANARE L-2T2Sを使用。

またアナログ/デジタルEQの類はいっさい使用せずに音色の調整はA80の録音イコライザーのみで行いました。具体的には100Hzを1.0dB上げ、10kHzを1.0dB下げとかなり低域がファットになるイコライジングをしています。

さらに音色を微妙に追い込むためにアナログテープのテープ位置による音質の差を利用しました。アナログ・テープは何度も録音されたテープ箇所では音が鈍るという特徴をマスタリングでの色づけとして利用しています。10インチのアナログ・テープを15ips(38cm/s)で回すと約30分録音できるので、A: テープの頭、B: テープを10分送ったポイント、C: テープを20分送ったポイントの3カ所に同じ曲を録音してメンバー全員でサウンドの違いを確認しました。予想通り、これまで何度も繰り返し録音に利用されているテープ頭はサウンドが鈍り、後半のフレッシュなポイントは抜けの良いサウンドがします。そのため歌とオケを馴染ませたい曲には頭のポイントで。勢い、スピード感を表現したい曲は後半部に録音と使い分けました。作業が進むに従い、メンバーの皆さんから「森崎さんこの曲は頭で」「こちらは中間で」など指示して頂きながらのマスタリングでした(笑)。

その結果2012年版アナログサウンドを作ることができました。レベルも今時の音より5dB程度低く仕上げていますが、ファットで耳に心地よい1990年代のサウンドを目指しています。アナログ・テープ・シュミレーションのプラグインも多く出ていますが、このサウンドを再現するのはなかなか難しいと思いますよ。心地よいけど透明感があるアナログサウンドのすばらしさをぜひ体験してください。


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電話でのお問い合わせ→03-5410-6789
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2012年8月22日水曜日

DSD Field Recording:MUSHのDSD録音記(その2)「東京夏の蝉」


どうもMUSHです!

まだまだ暑い日が続いております。サイデラ・マスタリングではKORG MR-2000S複数台でのマルチトラックレコーディングなんかもやっているわけなのですが、個人的な趣味でのミニマムなレコーディングセットでのDSD録音記(その2)ですお。

まだまだ暑く蝉の鳴き声も衰えを見せないのですが、正直蝉の声だけは絶対録りたくないと思っていたのですが、毎日原宿は東郷神社横を通っている身としては仕方なく、、ということで(その2)は蝉の声を2バージョンです。東郷神社の敷地内に広がる小さな森の夏は、蝉たちの大合唱がすごいのです。



録音ロケーションは神社のなるべく奥=明治通りからなるべく離れて、現場では人間の耳には車の走行音は随分と遠くに聴こえるのですが、フラットなマイクとレコーダーには通用しません。ばっちりエンジン音の超低音が届いてしまっています。これもある意味東京の夏だなって感じですね。そして途中偶然上空を通りかかったヘリコプターの空気感がすごい!このヘリコプターの再現性を損なわないためにも、少しマイクが吹かれていますがローカットEQをするのはやめました。ノンEQです。もう一つは蝉の会話をお楽しみください。




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2012年8月2日木曜日

DJ志人×スガダイロー『詩種』

インターンの福元です!
先日、荻窪のベルベット・サンにて、DJ志人×スガダイロー『詩種』のジャケット梱包作業をお手伝いしてきました!
『詩種』は、「うた-たね」と読みます!
以下、アルバム情報です。
↓↓↓
「志人・スガダイロー/詩種」
sibitt・sugadairo/utatane
2012年8月2日(木)発売
¥2,500(税込) VSP-0003 VELVETSUN PRODUCTS.

TRACK LIST
1.白猿と赤鼻天狗 壱 Shirozaru and Akahanatenguⅰ
2.アルカロイド-雑木林は愛の詩- alkaloid -a thicket is a poetry of love-
3.いざよいうた izayoiuta
4.白猿と赤鼻天狗 弐 Shirozaru and Akahanatengu ⅱ
5.珠算遊戯 Calculation Game
6.白猿と赤鼻天狗 参 Shirozaru and Akahanatengu ⅲ
7.謎 Enigma
8.白猿と赤鼻天狗 四 Shirozaru and Akahanatengu ⅳ
9.カムトナル Kamutonaru
10.狐の嫁入り Sun shower
11.白猿と赤鼻天狗 伍 Shirozaru and Akahanatengu ⅴ
12.わとなり Watonari
13.白猿と赤鼻天狗 陸 Shirozaru and Akahanatengu ⅵ
14.ニルヴァーナ-涅槃寂静- Nirvana

PERSONEL
vocal&朗読:志人
Piano:スガダイロー
Contrabass:東保光(2,3,5,7,10,12,14)
Drum:服部マサツグ(2,3,5,7,9,10,12,14)
Sound Produced by 志人・スガダイロー
Recording,Mixing:山口宜大
Recording Dates:2012.5/1,8 at studio Dede
Mixing Dates:2012.6/4~6 at velvetsun
Mastering:木村健太郎
Mastering Date:2012.6.19 at kimken studio
Producer:ノイズ中村
Supervisor:清宮陵一(vinylsoyuz)
Art Direction&Promotion:森孝介
Design:高村佳典(tkrm.)
Release Operation:山下真人
Proofread:白坂微恵

僕は最後の工程である、シュリンク作業(=ビニルをドライヤに当てて収縮させ、パッケージングする)をお手伝いしました。特殊な七角形のジャケットで、パッケージを開けると紙が折りたたまれています。「種子」(CD)、そして、「花弁」(Jacket)を表現しています。3時間のみ作業を手伝いましたが、土日連日11時〜20時まで、手作りの梱包作業は行われました!

正直開けるのが勿体ないですが、、、開けなければ聴くことは出来ません…!(><;)(笑)覚悟を決めて、開けてみます!興味深いアルバムです。

それでは、アリーヴェデルチ!


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2012年7月25日水曜日

祝発売!「Coba-U/泣き夏レゲエ」



Coba-Uニューアルバム
OVLC-32 定価¥1,500(税抜定価¥1,429)

「泣き夏レゲエ」インフォメーションページで全曲試聴できます!
http://www.bahamasrecords.com/artists/cobau/disc008.html

Official Web Site http://coba-u.com
Official Blog http://ameblo.jp/coba-u/
facebook  http://facebook.com/cobaugao
twitter http://twitter.com/Coba_U


01. キセキ〔作詞・作曲:GReeeeN〕(GReeeeN)
02. 青空〔作詞・作曲:真島昌利〕(THE BLUE HEARTS)
03. 涙がキラリ☆〔作詞・作曲:草野正宗〕(スピッツ)
04. 歩いて帰ろう〔作詞・作曲:斉藤和義〕(斉藤和義)
05. 風をあつめて〔作詞:松本隆 作曲:細野晴臣〕(はっぴいえんど)
06. ハイウェイ〔作詞・作曲:岸田繁〕(くるり)
07. 中央線〔作詞・作曲:MIYA〕(THE BOOM)
08. ここにしか咲かない花〔作詞・作曲:小渕健太郎〕(コブクロ)
09. 奏(かなで)〔作詞・作曲:大橋卓弥/常田真太郎〕(スキマスイッチ)
10. Three Little Birds〔作詞・作曲:Bob Marley〕(ボブ・マーリー)

参加ミュージシャン:石井マサユキ(All Instruments)ピアニカ前田(Pianica: Track10)土生“TICO”剛(Steel Pan: Track1)icchie(Trumpet & Trombone: Track5)草間信一(Keyboard: Track 8、9)

Produced & Arranged by Masayuki Ishii
制作:株式会社バハマ・パブリッシャーズ
発売・販売元:OVERLAP RECORD

++

チーフ・エンジニアの森崎です。

本日祝発売!Coba-Uさんニューアルバム「泣き夏レゲエ」のマスタリングを担当しました。誰もが知っているポップスの名曲のカバーアルバムです。Coba-Uさんの魅力的な声とそれを優しく支えるオケ。歌詞の世界が目の前に浮かんで来る。ちょっと切ないけど心地よい、この夏にぴったりのアルバムです。

今作はなんとプロデューサーの石井マサユキさんご自身による渾身のミックス!石井マサユキさんとは「GABBY&LOPEZ/Twilight For 9th Street」のマスタリングでもご一緒させていただきましたが、今作の歌の存在感、ギターの響き、低域の厚みは生音を知り尽くしたアーティストだからこそできる素晴らしいバランスです。マスタリングではそれらを最大限に引き出す方向で音作りを進めました。

サウンドの方向性は「アナログテープのような中低域のしっかりしたサウンドに」。そのためにDA/ADコンバーターはPrism Sound ADA-8。声の輪郭、透明感を出すためにDAしてからPrism SoundのアナログコンプMLA-2へのケーブルはモガミ2549を選択しました。このケーブルは日本人の声には非常に良くマッチします。

機材、ケーブルのセッティングが決まったらいよいよ最後の追い込みです!ADA-8(ADコンバーター)を24ビット/44.1kHzと24ビット/88.2kHzそれぞれで動作させサウンドのキャラクターを比較します。44.1kHzでは歌やメロディーラインが分かりやすいサウンド。それに対して88.2kHzでは奥行き、広がりがありオーディオ的に心地よいサウンドです。ラージモニター、ラジカセ、ヘッドフォンで聴き比べ最終的に声がしっかり前に出る24ビット/44.1kHzを採用しました。こちらの方が音の輪郭が若干にじむために声や楽器の音像が大きく聴こえ、ラジカセなど小さなスピーカーで聴いた時にグッと前に出てくるサウンドになります。

切ないながらもメロディーがすっと自然に入ってくる、そんなサウンドです。ぜひCDを手にとってみてください。


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2012年7月23日月曜日

DSD Field Recording:MUSHのDSD録音記(その1)「盆踊りと太鼓」


どうもMUSHです!

サイデラ・マスタリングではKORG MR-2000S複数台でのマルチトラックレコーディングなんかもやっているわけなのですが、個人的な趣味でミニマムなレコーディングセットでのDSD録音記の連載をはじめることにしましたお。

(その1)は週末に近所の神社で、お祭りとセットでやっていた盆踊り。非常にローファイな拡声器のサウンドと、それに合わせて叩かれていた生の大太鼓小太鼓。DSD録音でフラッターまで記録しちゃいました。ノンEQ、2.8MHzのDSDから24ビット/96kHz WAVへKORG AudioGateでフェードを書いて変換のみ。9624でも、オリジナルに比べるとほんの少し固い部分が出てきてしまうんですよね。



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2012年7月11日水曜日

祝発売!「JiLL-Decoy association/Lining」




ジルデコ結成10周年記念アルバム第2弾(=Jazz)
7月11日(水)発売
■CD(USM-057) : ¥2,500
■e-onkyo music配信(DSD,24bit/96kHz) : ¥2,400 / 単曲¥300
■iTunes Store配信 : ¥1,500 / 単曲¥200
※各、消費税込み価格

【収録曲】
01. Cantaloupe Island
02. What A Little Moonlight Can Do feat. Eric Alexander
03. Take On Me
04. The Island
05. Nica’s Dream
06. I’ve Got Just About Everything
07. I’m All Smiles
08. Recado Bossa Nova (The Gift)
09. My One And Only Love feat. Eric Alexander
10. Obsession


チーフ・エンジニアの森崎です。

本日祝発売!「JiLL-Decoy association/Lining」のマスタリングを担当しました。今作はCDと、高音質配信(2.8MHz DSDと24ビット/96kHz WAV)それぞれでのフォーマットでのリリース。ミックスマスターもCD用の24ビット/96kHzと、高音質配信用のKORG Clarityで録音されたDSD5.6MHzの「DSD-MTR mix」の2種類ありました。前者はボーカルのメロディーラインやリズムが分かりやすいミックス。後者は演奏の細かなニュアンス、楽器の質感、空気感あるミックスです。CD用は曲ごとの魅力を最大限に引き出した音作りを。高音質配信用は音の鮮度とリアリティーを失わない音作りを施しました。

本日はCD用マスタリングのワンシーンをご紹介。

++

藤巻(録音・ミックスエンジニア):できるかぎり96kHzの質感を活かして仕上がったら最高です!
森崎:それならTC Electronic SYSTEM6000をハイサンプリングで動作させましょう。この質感どうですか?
藤巻:とても良い感じです。ミックスにあった空気感が損なわれていません。
towada:このハイハットの音をもう少し馴染ませることできますか?
森崎:ちょっと機材を替えますね。これでどうでしょう?
towada:何を替えたんですか?
森崎:dB Technonogies MODEL3000S(ディザー)に入力している外部ワードクロックを替えました。こちらArdsyncという90年代の古い機材です。
towada:この質感良いですね!この方向性のサウンドが合う曲が他にもありそうです。
藤巻:1曲目だから明るく入りたいので、この質感のままでもう少しだけレンジを広げることはできますか?
森崎;了解です!ケーブルを替えてみましょう。
towada:今度は何を替えたんですか?
森崎:MODEL3000Sに入力するAESケーブルを替えました。
Chihiro:秘密兵器、飛び出しますね!とっても楽しいです!
towada:歌の感じもとても良いです!これでいきましょう!
森崎:それでは録音していきますね。
towada:森崎さん、さっきの方が歌のフォーカスが合っている感じがしたのですか?
藤巻:僕もそう思いました!さっきの方がリズムがタイトだったような?
森崎:二人とも耳が良過ぎですね(笑)これが、偶数回、奇数回のプレイバックによる音の違いです。
藤巻:噂には聞いていましたが、まさかここまで明確に違いが分かるとは驚きです!恐るべきモニター環境ですね!
森崎:今年のはじめにスタジオ全面Aural Sonic使用の吸音に替えてからさらに微細な差まで聴き分けられるようになりました。特にローエンドの聴き分けが容易になりました。

++

今回「Lining」のマスタリングの作業では機材やケーブルの選択と、レベル調整のみでほとんどを行い、EQ/コンプの処理はほとんどしていません。曲によってはローエンドを25.7Hzからカットしたり、16kHzを少しアップしてCDフォーマットに落とした時に失いやすい空気感をフォローしています。今作ではサイデラ・マスタリングの特徴である良質な電源環境、最短距離のワイヤリング、分かりやすいモニター環境を駆使しての音作りでした。「せーの」で演奏しているグルーヴ、暖かみのあるボーカル、楽器の豊かな響きにぜひ注目して聴いてみてください。

次回は高音質配信用のマスタリングについて。乞うご期待!

■当代きってのテナーサックス・プレイヤー、Eric Alexander 2曲参加
■80年代の大ヒット曲、a-ha「Take On Me」をスタイリッシュにジャズカヴァー

これは、結成10周年を迎えたジルデコが今だからこそ贈る、愛するルーツを思いきり奏でた至福のジャズ・アルバムである!

元々ジャズ・ミュージシャンであり、ジャズを愛するからこそ、あえてジルデコという表現方法を選び、日本語歌詞のオリジナル楽曲による実験と挑戦を続けてきた、towadaとkubota。ジャズとの切っても切れない不思議な縁を自覚しながら、ジャズシンガーと呼ばれることを拒んできたchihiRo。そんな彼らが結成10周年記念アルバム第2弾で、ついに真っ向から<ジャズ>に向き合った。
ジルデコ史上初の全曲英詞カヴァーによるアルバムであるが、選曲やアレンジ、そして演奏と歌唱に込められた想いと表現は、オリジナル楽曲のアルバムと同等に<ジルデコらしさ>をしっかりと感じさせる作品となっており、改めてジルデコが最高にスタイリッシュでクールなアーティストだと認識させられる。

さらに、e-onkyo music から配信される全楽曲音源は(DSD-MTR mix)として、CDに収録されるレコーディング音源(こちらは通常のProToolsを使用)とは違い、G-ROKSスタジオにあるKORG試作DSDレコーダー<Clarity>によってDSDマルチ・レコーディングされ、それ用に別にClarity内でミックスしたヴァージョンである。(※演奏やテイクは同じ) 商業用音楽としてアルバム一枚まるごとClarityを使用するのは、世界初と言っても過言でないほど画期的な試みであり、それは、レコーディング・スタジオの空気感や各楽器の鳴りがまさしくリアルに再現できる音源となっている。
ぜひ両方聴いてみることにより、エンジニアがCDリスナーのために持てる技術と感性を駆使したミックス・ヴァージョンとの音楽の聴こえ方の違いを、存分に楽しんで欲しい。


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2012年7月3日火曜日

鈴木良雄 Bass Talk『ダンシング・ルナ』@HAKUJU HALL

インターンの福元です!

今日は、鈴木良雄 Bass Talk『ダンシング・ルナ』リリース記念コンサートの鑑賞レポートです。6月22日金曜日夕方、サイデラ・マスタリングでのインターンシップを終え、竹下通りと代々木公園を抜けて白寿ホールへと向かいました。クラシック・ホールである白寿ホールでの「鈴木良雄 Bass Talk」によるコンサートは19時開演。音抜けと響きの良いホールで、フルート/ピアノ/ウッド・ベース/パーカッション+ドラムスによるアコースティック・コンサート。エントランスからホール内に入った瞬間、何かわくわくする場所に来たと思いました。

前から4列目の席に座り、いよいよ開演です。


パーソネル:鈴木良雄(b)、井上信平(fl)、野力奏一(pf)、岡部洋一(perc)
セットリスト:ダンシングルナ

タッチ・オブ・スプリング
ニュー・ヨーク・ブルー

フェアリーズ・トーク 等

ガッバーナを着た井上信平さん(fl)は、とてもセクシー!で、優しいフルートの音色に乗せて、特に野力奏一さん(pf)と息の合った演奏をしていました。(終演後、二人はがっちりと握手していたのが印象的です!)コンゴを足下に置き、その周りにドラム・セットを組んだ岡部洋一さん(perc)は全体を纏め、曲の盛り上がりに欲しい音は必ず奏で、アンコール後の曲で魅せた5分程の長いソロでは、拍手喝采を浴びていました。それは会場全体が喜びに満ち溢れる雰囲気に包み込まれた瞬間でした。鈴木良雄さん(b)のウッド・ベースは、生音だと言う事が信じられないくらいのボリュームのある音で楽器がとてもよく鳴っていました。楽器自体も最も良質なウッド・ベースで、世界のウッド・ベースでも50本のうちに入る楽器を使っている、と聞いた事があります。公演後半では、鈴木良雄さんの故郷である木曽福島から駆けつけて来た3人の男性がステージに上がり、「木曾節」を披露しました。(3人のうち2人は僕の隣に座っていたので、謡う方たちとは知らず、びっくりしました!)感動的な締めくくりとともに、この「木曽節」は心に残りました。そして、スタンディング・オベーション。観客全員が立ち上がり、惜しみない拍手を送り続けていました。スタンディング・オベーションが起こるコンサートを久しぶりに体験する事が出来ました!

アコースティックな優しい音楽(しかし盛り上がる!)を奏でるこのバンドは、吉祥寺サムタイムなど、都内のJazz Spotで連夜演奏しているので、また聴きに行きたいと思っています!結成からなんと12年目だそうで、息がぴったりなのもうなずけます。

以上、鑑賞レポートでした!

2012年6月22日金曜日

鈴木良雄 Bass Talk 「ダンシング・ルナ」リリース記念コンサート



インターンの福元です!

今日はこのあと19時から、鈴木良雄 Bass Talk ”ダンシング・ルナ” 発売記念コンサート@白寿ホール(代々木八幡)を聴きにいきます!鈴木良雄さんは、僕が所属している大学のジャズ研究会の大先輩です!

以下、〈Yoshio"CHIN"Suzuki Official Site〉より

↓↓↓
〈アルバム情報〉
http://homepage2.nifty.com/fmw/chin/promo_dancing_luna.html

〈コンサート情報〉
http://homepage2.nifty.com/fmw/chin/event/hakujuhall_concert.html

鈴木良雄BassTalk
「ダンシング・ルナ」リリース記念コンサート
■日時/会場:
2012年6月22日(金) 開場18:00 開演19:00
白寿ホール 〒151-0063東京都渋谷区富ヶ谷1丁目37-5
Tel. 03-5478-8867
http://www.hakujuhall.jp/

■チケット料金:
全席自由¥5,000(税込)
お得なサイン入り最新CD(定価¥2,500)付チケット¥7,000(税込)もあります。
■チケット販売/お問合せ:
フレンズミュージック03-5350-4875 friendsmsc@nifty.com
Rooted music japan 090-6134-9524(担当:渡辺)rootedmusic@aol.jp

■主催:
フレンズミュージック 

■後援:
ONEレーベル/55Records


優しい音楽に癒されてきます。。。
感想はまた報告します!^^


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2012年6月8日金曜日

【e-onkyo music 限定配信】DSD配信 南博トリオLIVE at ARISTOHALL


ブログ初登場!サイデラ・マスタリングのインターンの福元隆(ふくもとりゅう)です。今日は僕がお世話になっているジャズ・ピアニスト、南博さんの、トリオでのライブ音源のDSD配信を紹介します。

<以下e-onkyo musicより>
【e-onkyo music限定配信】
ジャズ界のみならず、音楽界きっての実力派を迎えた南博トリオのDSD1bit/5.6MHz、ワンポイント録音によるライヴアルバム!ジャズスタンダードの名曲中の名曲「I've never been in love before」から「Body & Soul」、「Tenderly」、「Doxy」とピアノトリオの真髄を存分に聴かせてくれる南博トリオの「生の音」をそのまま楽しめる貴重な作品です。終曲として選ばれたのは、世界的ジャズ・ベーシスト、チャーリー・ヘイデンの「Ellen David」。キース・ジャレット参加の作品「CLOSENESS」に収録されている、チャーリー・ヘイデン好きであれば周知の名曲です。
 
*ライヴ収録音源ですので客席ノイズ、演奏ノイズ等も多少含まれます。予めご承知おきください。

【南博トリオ】
南博(p)鈴木正人(b)芳垣安洋(dr)
収録:2011年3月2日 南青山「ARISTOHALL」 ライヴレコーディング
機材協力:KORG


URLはこちら↓
南博「Live at ARISTOHALL」特集ページ
http://music.e-onkyo.com/artist/m110520_R.asp

実際に購入できる音源は1bit/2.8MHzのDSDデータ(DSF)で、M1「I've never been in love」冒頭の上昇音階から、ピアノのタッチ、空気感、グルーブ感や息づかいがそのままの形でオーディオから再現され圧倒されました!生音で、トリオのコール&レスポンスがばっちりと伝わってきます!

南博さんとのレッスンの際に直接、推薦コメントをいただきました!
↓ ↓ ↓
ピアノは ベーゼンドルファー。
ノー PA。
マイク 一発録り。

南博

僕(福元)は、DSD配信は生音の忠実な再現に向いているなと強く感じています。DSD配信がたくさん普及すべく。これからもさまざまなDSD配信作品をご紹介していこうと思います!最後に、Saidera Mastering BlogでDSD配信を聴くための最適ツール「KORG AudioGate」の使用方法についても紹介しています!是非ご覧になってください!

「[AudioGate]AudioGateの基本性能」
http://saideramastering.blogspot.jp/2010/11/audiogateaudiogate.html

それでは、アディオス!

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2012年6月6日水曜日

Ametsub 3rd Album/All is Silence



チーフ・エンジニアの森崎です。

本日発売のAmetsubさん3rdアルバム「All is Silence」のマスタリングを、前作「The Nothings of The North」に引き続きやらせていただきました。

<事前打ち合わせ>
ミックスがほぼ仕上がった段階で事前打ち合わせをしました。「2nd album「The Nothings of The North」(2009年発売:Mastered by Masato Morisaki)の時ようなビートや質感、だけど時代の流れに沿った最先端の音にして欲しい!」このコンセプトに沿って音作りをしていきました。

<2種類のフォーマットを聴き比べ>
最初に行なったのが音源の聴き比べです。一つは「24ビット/44.1kHz WAV」もう一つは「16ビット/44.1kHz WAV」です。両者を切り替えて比較試聴しながら楽曲に必要な要素とそうではない要素を明確化します。低域の厚み、空気感、ノイズの抜け、広がりは圧倒的に24ビットが有利でした。しかし16ビットには24ビットには存在しないガッツがあります。今回はこの要素はEQとリミッターの微調整で追い込むことにしました。

<実際のマスタリング>
音量レベル、音圧感の確認はAmetsubさんがオリジナル音源をノーマライズしたものを持ち込んでくれたので、それと比較しながら追い込みます。このような参考音源があるとコミュニケーションがとてもスムーズです。マスタリングでのポイントは、一度DAした後の、ADコンバーターのサンプリング周波数=TC Electronic System6000の動作クロック周波数の選択でした。最初は24ビット/88.2kHzよりも24ビット/44.1kHzの方がよりイメージに沿ったサウンドを得ることが出来ました。88.2kHzでは音のフォーカスがハッキリして低域の響きが豊かなため、アタックと響きがバラバラに聴こえます。それに対し44.1kHzではアタックと響きが良い感じに馴染みキック全体が鳴っているように聴こえます。Ametsubさん曰く「44.1kHzの方がラジカセなどの小さなスピーカーでもビートを感じやすい」ということでこちらを選択しました。こういったフォーマットはあくまで実際に聴いてみてバランスの良い方を選択することが大切です。必ずしもハイサンプリングが良いとは限らないのです。

<EQとリミッターの微調整>
ガッツのある音に仕上げるには周波数特性を広げすぎずに中高域で厚みのある音に仕上げる必要があります。それではエレクトロニカのノイズの音をかっこよく聴かせる裏技をお話ししましょう!まず最初に10kHz辺りからシェルビングEQで高域全体を抑えます。0.2dB~0.5dBで十分効果があります。こうすることで高域に集中しているノイズ成分を中高域に移行します。さらにビートを刻んでいるノイズを狙って強調します。周波数は4kHz~8kHz前後です。リミッターの調整はガッツを出すためリリースタイムを100ms前後と遅めに設定しました。こうすることでノイズ成分の細かなピークを抑えることが出来るため音量レベルもかなり大きく入れることが可能になります。

Ametsub: 「2nd albumの時ようなビートや質感、だけど時代の流れに沿うように着実にステップアップしてる音。そして原曲に忠実。だけど倍音を含んだプラグインでは出 せない味わい。すかっとした抜けの良さとビートの密度濃さも兼ね備えていて…。語彙力に欠けていてこの感動を伝えきれないのが悔しいですが、とにかく最高 です。。。!!!!!!」

アナログ機材を通すとノイズ成分が生き生きと躍動してきます。アナログの暖かみ、デジタルのソリッドな質感を兼ね備えたサウンドをぜひ聴いてみてください。



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2012年6月5日火曜日

Heartbeat Presents Mixed By DJ EMMA(NITELIST MUSIC/MALAWI ROCKS)×AIR(DAIKANYAMA TOKYO)

Heartbeat Presents Mixed By DJ EMMA(NITELIST MUSIC/MALAWI ROCKS)×AIR(DAIKANYAMA TOKYO)


2012.6.6 Release LACD-0231/ 2500yen(tax in)2381yen(tax out)


まさに匠のなせる技…DJ EMMAの最新ミックスCDがHeartbeatシリーズに登場!!

80年代から日本屈指のハウスDJとしてシーンを牽引、ダンスミュージックファンを熱狂の渦に巻き込み続ける“THE KING OF HOUSE”DJ EMMAが満を持してHeartbeatミックスシリーズに登場!!際立つエモーショナルな選曲、流麗なミックスが心を揺さぶる!名実ともに日本のトップに君臨するDJ EMMAの最新ミックスCDがいよいよリリース!!

++
<マスタリングにて>
森崎:EMMAさんのサウンドはエッジがありますね!
DJ EMMA:それは聴かせ方なんです。最近では同じような楽曲を続けてプレイするDJもいますがそれでは飽きてしまいます。柔らかい曲と硬い曲を交互に聴かせることで飽きさせずに長く踊らせることが出来るんです。今回の作品ではアナログ・レコードの音源とCDJの音源を織り交ぜています。
森崎:それで聴いた時にインパクトのある瞬間が何度もあったんですね。
DJ EMMA:ピアノの曲の後にサックスではなくギターの曲につなげることでオーッ!ていうことになるんです。リズムが変わったりコードが変わった瞬間、リスナーは自分から聴きにいきます。例えば不協和音は一般的には放送事故なんですがDJはそれが許されるんです。そこが聴かせどころです。
森崎:一般的なアルバムでもリズムの曲とバラードの曲があるからそれぞれが引き立つんですね。
DJ EMMA:その通りです。リズム中心の楽曲ばかり、バラードばかり続けてプレイすることはありません(笑)。
森崎:EMMAさんにぜひ聞きたいと思っていたのですがハウスの核となるサウンドは何でしょう?
DJ EMMA:僕はベースだと思います。ハウスのベースには動きがありますが、テクノのベースはループだったり動きがありません。テクノのDJは動きのあるベースの曲をプレイすることはあまりしません。ハウスは腰で聴き、テクノは頭で聴く。分かりやすく説明するとデトロイトの黒人のハウス、ヨーロッパの白人のテクノということです。
森崎:超貴重なお話ありがとうございました!
++

日本が世界に誇るDJ: EMMA。ストイックにダンスミュージックの本髄を提唱する生き様とPLAYに、どれほど多くのダンスミュージックファンが、洗礼を受けてきたか計り知れない。『リアル』『エモーショナル』といった要素が薄れ、全てがデジタル化する環境の中、敢えてアナログプレイにこだわる彼の生き様は、現代社会に対するアンチ・テーゼでありメッセージだ。 村田大造(Heartbeat Producer/Global Hearts)

音楽は消費するものではない。ジャンルなんて上辺だけのもの。ミックスで最も大切なのは完成度の高さじゃない。なぜEMMAが20年以上もシーンの先頭に居続けられたのか、
DJプレイの妙を封入するために一発録りで制作された本作でその理由が追体験できるはず。 細川克明(GROOVE)


DJ EMMA(NITELIST MUSIC/MALAWI ROCKS):
1985年にDJ活動をスタート。1990年から3年間ヨーロッパツアーを成功させる。1994年には今や伝説となった「芝浦GOLD」と契約、日本ハウス界の頂点を極めた。以来VELVET、JUNGLE BASS、MOTHER、LIQUID ROOM、VELFARRE、YELLOW、ELEVEN、MAGO(名古屋)、WORLD(京都)、GRAND CAFÉ(大阪)、PRECIOUS HALL(札幌)などのレジデンツパーティー及びイベント等でのGIGを通じて20年以上もの間トップDJとして活躍し続けている。現在はagehaとWOMBでのレジデンツパーティーを中心に海外でのプレイも勢力的に行っている。その技術に裏付けされた繊細かつアグレッシブなプレイで現在も多くのクラウドを魅了し続けるスタイルはまさに“THE KING OF HOUSE”と呼ばれるにふさわしい日本を代表するDJである。またミックスCDシリーズのパイオニア的存在「EMMA HOUSE」を過去合計18作リリースさせ、2000年には特定のシステムに左右されず遊び心の美学に拘り続ける全く新しい形のレーベル「NITELIST MUSIC」をスタート。層の厚いアーティスト、ハウスミュージックを基礎としながらも固執しない自由な企画、そして日本では類を見ないリリース量、新たな時代の幕開けに相応しく圧倒的な影響力を持ったレーベルを誕生させた。DJ EMMAを追いかけることはクラブミュージックを俯瞰することになる!!


〈TRACK LIST〉
01. HEARTBREAKER/CRAZY P
02. DO BETTER(THE LAYABOUTS VOCAL MIX)/THE LAYABOUTS feat.PORTIA MONIQUE
03. I DON’T SEE LOVE(JAZZY DUB)/JOSEPH JUNIOR&MAQMAN
04. PICNIC ELECTRONIQUE/MARC ROMBOY VS RODRIGUEZ JR
05. ACDISE#2(ORIGINAL MIX)/GONNO
06. THIS IS MINE/JAKE&AMBER
07. KING OF LIGHT/MARK FLASH
08. ORIGIN/DOSEM
09. FEEL IT/GARY BECK
10. COMING WITH DA SOUNDS/DJ SNEAK PRESENTS DIRTY SNEAKERS
11. BABARABATIRI/(COPYRIGHT REMIX)/TODD TERRY&THE GYPSYMEN
12. PANTA REI(BALEARIC MIX)/AGORIA
13. CLOUD NINE/THE BACKWOODS
14. TAKE IT BACK/MANO LE TOUGH
15. WAIT&SEE(CFCF REMIX)/HOLY GHOST!

〈レギュラーパーティー〉
ULTRA MUSIC@ageha 毎月第一土曜日
TROUBLE HOUSE@WOMB 毎月第三金曜日
HOUSE REVENGE@MAGO(名古屋) 年間3~4回の開催

〈DJスケジュール〉
6/15(fri) TROUBLE HOUSE@WOMB
6/23(sat) HOUSE REVENGE@MAGO(名古屋)
7/07(sat) ULTRA MUSIC@ageha
7/14(sat) MANIER(金沢)
7/28(sat) Heartbeat Presents Mixed By DJ EMMA×AIR Release Party@AIR




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2012年5月23日水曜日

自転車日和


デスクの今井です。

昨日とはうってかわってすっごく気持ちのいい天気ですね〜散歩・サイクリングにはもってこい!ということで今日は知人から譲り受けた私のハマー(自転車)をサイデラ・マスタリングのチーフ・エンジニアの森崎さんにメンテナンスしてもらいました。ハマーをもらったはいいものの、解体されたまま届いてしまい、初心者なのでヒーヒー良いながら組み立て、なんとか1年間乗りまくってきたハマーちゃん。大臣でお弁当を買ってかえる道中で見てもらうと、「いや〜ここもここも調整必要だね〜」ということで早速やってもらいました。

まずはブレーキ。
ブレーキって左右から挟む構造なので、両腕のバランスが整っているのが理想。もちろんガタガタでしたので調整してもらいました。

次にギア。
6段階なのですがいっつも3〜1あたりがガタガタ…。しかしドライバー1本であっという間にのぼりもくだりも整っちゃいました。

お次はタイヤ。
タイヤって空気圧の目安が書いてるんですね!知らなかった…。自分の握力で「う〜ん固い」位で入れてた…!(笑)今日ようやく空気入れになぜ圧力計がついているのかわかりました。ちなみに私のハマーちゃんには2.5〜4Bar(Barは単位)と書いてあり、女性の体重くらいなら3.5くらいに合わせるのだとか。ちなみにロードバイクのタイヤ圧は7とかなのでかなり固く、段差が多いところをいくにはマウンテンバイク型がやはり良いようです。でも、シティ乗りだったらダブルサスではなく前だけのシングルサスがおすすめとのこと。また、同じような値段帯ではGIANTが優秀。また、同じブランドでもデフォルトにどんな部品が使われているかよく見るのがこつだそうです。同じ値段、ブランドだけど安い部品がついていたり、逆だったり。

あとはサドル。
こちらも自分ではめた物でしたが、「MAX」ラインを超えて取り付けてしまっていたのでちょっと危なかったようです。(笑)

そして完成品がこちら!



嘘です。これは森崎さんのフルカスタマイズバイク。お値段は…総額で70万円以上!!!!安い軽自動車買えちゃう…。ちなみに私の自転車20台分(笑)

とにかく色々見せてもらったので、自転車がさらに楽しくなりそうです!早速工具を買わなくちゃ!ということでサイデラ・マスタリングでは自転車のご相談もできますので、お気軽に☆

PS.サイデラ・マスタリングある神宮前エリアにはマニア御用達の自転車屋さんが結構ありますよ〜。

今日の森崎の名言「バイクメンテナンスはマスタリングと同じ」





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2012年5月21日月曜日

ai kuwabara trio project マスタリングの記録(その3)ケーブル編


2012.5.15 on sale
「from here to there / ai kuwabara trio project」
定価:1800yen

マスタリングの記録(その3)
於2011年3月21日  @Saidera Masteringにて

【マスタリング当日の立ち会い人】
桑原あい:piano, compose 森田悠介:electric bass
上田隆志:recording & mix engineer  森崎雅人:mastering engineer



〜ケーブル編〜
森崎:機材はABCと呼んだので今度は「1,2,3番」と呼びましょう (笑)
桑原:(笑)はい。
森崎:もっと「コレに対してこうして欲しい」とかあります?ケーブルは「1.現状:モガミ 2549」と、「2.ワイドレンジ:Saidera Ai SD-9003」「3.ナチュラルで、ふくよかなLowが出る:WireWorld Silver Eclipse」かな。
悠介:全部気になる(笑)
森崎:とりあえず全部聴いてみましょう!今度は比較的パッと聴きにしましょう。違いが分かったら「ハイ」って言って下さい!

♪〜1番、現状 試聴

悠介:ハイ。
森崎:これが2番。

♪〜2番、レンジが広くなる 試聴

桑原:楽しくなるこれ!なんかこれ、ディズニーランドの気分になるね!(?)
悠介:ウキウキ系だね。
桑原:ウキウキ系になった。
森崎:では3番。
桑原:デブッちょになるタイプだ。
森崎:そこまではファットにはならないですよ。(笑)

♪〜3番、 ふくよかなLow 試聴

森崎:違いはベースです。
桑原:いや、ちょっと落ち着き過ぎた気がする。もうちょっと聴いて良いですか、ベースのテーマのとこ。
悠介:これだったら2番。
桑原:私も2番。1か2ですね私。2かなぁ。
森崎:そしたらね、もう一回1番に戻りますよ。1番→2番、と替えます。1番のバランスも再確認出来るし。

♪〜再び1番→2番、試聴

桑原:2。
悠介:2ですね。
森崎:意外とナチュラル系が好みかな。
桑原:ほんとに、広がりましたよね。いいんですかね、2番で。(笑)
森崎:大丈夫です。(笑) それではもう一度、オリジナルのミックスマスターと聴き比べて下さい。今度はピアノのタッチに注目して下さい。

♪〜ミックスマスターと聴き比べ

悠介:このセッティングだとピアノが細かいフレーズを弾いた時とか弱く弾いたときとかに引っ込み過ぎちゃう気はしますね。この辺りの盛り上がってるソロセクションの4ビートだったりリズムの細かいセクションでもう一回1番を聴いてみたいですね。
桑原:確かに。
森崎:それではもう一度1番。

♪〜ソロセクション、1番で試聴

桑原:あ、ソロ中は絶対こっちだわ!断然こっちだわ!弾いてる感覚とすっごい近い。ってことは1番かな。
悠介:じゃあ1だな…その辺含めて聴いてもらいたいしね。
桑原:だよねぇ…。
森崎:実は「2ダッシュ」があります。(キリッ
一同:(爆)
森崎: 2ダッシュ、ピアニストに人気なんですよ。
桑原:うそーキター!
森崎:これねぇ、最後の切り札で出すつもりでした。(笑)
悠介:2ダッシュがあるんかー!
森崎:迷ったら、2ダッシュを聴いてみるんです。
桑原:違いは何なんですか?
森崎:同じケーブルの、長さ違い。
上田:なるほど〜。長くなるんですか?
森崎:短くです。
悠介:ディズニーランドが短くなった。
桑原:ディズニーランドが短くなった。(笑)
森崎:長さの違いで音のニュアンスが全然違います。
桑原 :え、どっちに近いんですか?
森崎:1番に近い。で、ピアニストが好きなのは確か。

♪〜2番ダッシュ 試聴

森崎:一番とは音色の艶が違います。1番よりも比較的ナチュラル。
桑原:すみません、もう一度1番もらっていいですか?
悠介:分かんなくなってきた(泣)

♪〜1番→2番ダッシュにて冒頭部分 再び試聴 

桑原:私、1番かも…。2ダッシュは、全体としてはツヤが出たんだけど、「ここが欲しい」っていうのが削られてる気がする。ほんと多分0.001mmの違い。(泣) 私がピアニストだからそう聴こえたのかもしれないですけど、細かいところが流れちゃった気がした。ごまかしが効いちゃったんですよ、きっと。
森崎: それは若干それで広がって綺麗になって、ツヤもあって、ピアノには集中するんだけど、全体として耳に入ってきたのが、1番の方が良かった。
桑原:たもちゃん(悠介)のね、ブッ、ブブッ、っていうちょっとのズレが絶対1番の方が良い。
森崎:そう、その「タメ」がね、1番の方がそういうグルーヴが聴こえます。
桑原:(2ダッシュだと)無くなりますよね?
森崎:無くなりましたね。
桑原:1番でいこう!
悠介:はい(笑) 1でお願いします。
桑原:伝えたいものが、ぽ〜んって出そうな気がする。
森崎:24ビット/96kHzはレンジが広く情報量があります。だけど、16ビット/44.1kHzに落とすとどんどんこう小さくしていくから、音楽の中で聴かせたい要素とそうでない要素を明確にしていかないと、そこに「有った」音が表現されません。ケーブルの差し替えはこの確認だったんです。「さっき聴こえていた音が聴こえない、でもここが良くなってる」とか。
桑原:ほんっとに。凄すぎる…。
森崎:これでバッチリです。
上田:これ実はミックスダウンの時に1910年代のケーブル使ってるんですよ。自作で作ったやつ。しかも、多分こんなことしてる人ほかにいないと思うんだけど、ええとですね、パッシブのサミング回路。要するに抵抗を使っただけ。1910年代のケーブル何種類か試して、8chを2chに落とす時に抵抗を噛ませて作ったんですよ。
桑原:なに言ってんだか全然わかんない…(ボソッ
森崎:抵抗は古いやつですか?
上田:いや、古いやつじゃない。初めて作ったんで、まずは良いとされている「デール」ってあるじゃないですか…(〜〜〜ケーブルの話)
森崎:最終的にOKになったケーブルは実は「モガミ2549」です。モガミ以外のケーブル(2番、3番)は全部、超・高級ケーブルです。モガミが一番良かったのは、色づけが無くストレートだったからです。
桑原:高いから良いってもんじゃないのね。
森崎:「相性」ですね。上田さんの機材のカラーが素直に表現出来ていました。モガミ2524は足し算引き算にはならないんですよ!最終的に良いサウンドになりましたね!僕は機材の選択とケーブルで音の土台を作りますが、おそらく一般的なエンジニアさんは手元のEQの方をやるんですよ。ミュージシャンが、楽器替えるじゃないですか。ケーブルと機材の選択はその感覚に近いです。楽器が替わると音色が変わるみたいに、ケーブルや機材はそれぞれ独自のキャラクターを持っていて通すと音色が変わる。ギターアンプのつまみをいじるんじゃなくって、楽器そのものを替えちゃえ!という感じ。機材とケーブルが決まればあとは同じ曲調のものは微調整でいけます。
桑原:何曲か。本当に色んな曲がありますからね、よく考えたら。
悠介:HOUSEみたいなやつもありますからね。
森崎:HOUSEは超得意ジャンルです、任せてください。(笑)
悠介:演奏フォーマットはピアノトリオ、なんですけどね。
森崎:全然大丈夫です。
桑原:ずっと、「ブンっ、ブンっ、ブンっ、ブンっ」
上田:それで、4つ打ちなんだけど(神田リョウの)ドラムもいわゆるJazzチューニングだったから、そもそもLowの無いやつを無理やり上げてるというか。
森崎:了解です。僕は機材の選択とケーブルで音の土台を作りますが、おそらく一般的なエンジニアさんは手元のEQの方をやるんですよ。それを今回はEQを使わずに行ないました。ミュージシャンが、楽器替えるじゃないですか。その感覚に近いです。楽器が替わると音色が変わるみたいに、ケーブルはそれぞれ独自のキャラクターを持っているので音色が変わる。ギターアンプのつまみをいじるんじゃなくって、楽器そのものを替えちゃえ!という感じ。
上田:しかし、ケーブルはキリが無いですね。
悠介:ここに居たら全てがクリアーに見えそうだ。
桑原 :世界が変わって見えそうだよね。
森崎:結局このモニターだから、一つ一つの違いがあれだけわかるんですよ。マスタリングはモニター環境が本当に重要です。分かり難いモニターだと予想しながら音作りすることになってしまいますので。レコーディングに慣れているエンジニアなら、モニターのクセが分かってるので音作り出来ると思いますが。
悠介:いやあ、ここまでやって頂けるっていうのは。
森崎:繰り返しになりますが、機材、ケーブルの選択を行なうことで最小限のプロセスで音作りが可能になります。またマスタリングのはじめに聴き比べをじっくり行なうことでスタジオのモニタースピーカーのサウンドに慣れてもらえるので、クライアントさんも正しくスピーディーな判断が可能になります。細かい音のこだわりは最終的な仕上がりに大きく影響するので、初めて立ち会いマスタリングでの作業を行う場合は、ぜひ1時間ほど余裕のある作業時間でのご予約をお勧めします。

〜メンバーの皆様より〜
今作はYouTubeにて3曲が先行配信されていますが、カメラ6台を入れての気合いの(スリリングな、アグレッシブな、臨場感溢れる)映像です。演奏は「せーの」で一発録りですが「音が良い!」とリスナーの方から感想を頂いております。

先ずは先行で全8曲入りのフルアルバムを5/15日にリリースしますが、高音質配信も視野に入れています。

youtube映像も合わせて、ai kuwabara trio projectのオフィシャルホームページからチェック出来るようになっているので是非チェックしてみて下さい。
http://www.aikuwabaratrio.com

また、アルバム・リリースを記念して、5/23には神戸、6/3には東京でライブを敢行しますので、ぜひ生の演奏を聴きにきて下さい!よろしくお願いします。




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2012年5月16日水曜日

ai kuwabara trio project マスタリングの記録(その2)コンバーター編


2012.5.15 on sale
「from here to there / ai kuwabara trio project」
定価:1800yen

マスタリングの記録(その2)
於2011年3月21日  @Saidera Masteringにて

【マスタリング当日の立ち会い人】
桑原あい:piano, compose 森田悠介:electric bass
上田隆志:recording & mix engineer 森崎雅人:mastering engineer


〜機材の選択〜
(ミックスバランスのよかった2曲目「3=log²(8)」を基準に選定)
森崎:まずは、音のバランスが良かった2曲目でADコンバーターを選んでいきましょう。ミックスマスターと切り替えがなら、演奏がどう聴こえるかを聴き比べてみて下さい。

♪〜「Aタイプ:PrismSound Dream ADA-8」試聴→ミックスマスターに切り替え

森田悠介(以下、悠介):こっちが、元の96kHzのやつですか。
森崎:そうです、ミックスマスター。
上田:「これはProToolsの192 I/O から出てる音ですか?」
森崎:192 DIGITAL I/OのAESアウトから出している音です。
森崎:次は「Bタイプ:dCS 905」を聴いて下さい。
桑原、悠介:Bタイプ!
森崎:Aタイプ、Bタイプの違いはADコンバーターの違いだけです。機材のルーティングはProToolsのデジタルアウトをADA-8でDA(デジタル→アナログ)して、PrismSoundのアナログコンプMLA-2を通しています。これはコンプはオフってスルーだけさせています。
悠介:通すだけで変わる、と。
森崎:通すだけです。コンプを掛けたいわけではなく、このコンプの持つサウンドキャラクターだけが欲しいので。そこからアナログケーブルを通ってADコンバーターに入ります。AD(アナログ→デジタル)して、デジタルになったものをSYSTEM6000でEQ、コンプの調整をして最終的に一番下にあるdB Technologies 3000Sで16ビット/44.1kHzに変換しています。
一同:ふむふむ。
森崎:いまプレイバックで聴いているのは16ビット/44.1kHzなので、最終的なCDの音、という訳です。Aタイプ、Bタイプで音量レベルはいっさい変えていないです。単純にADコンバーターのみの違い。こちらがBタイプ。
桑原:Bタイプ…。

♪〜Bタイプ試聴

桑原:なんか、優しい!(何度か原音と切り替えてから)さっきの方がなんか、前に前に来るような?
森崎:そうです。これがこの機材の特徴です。さっきのAタイプの方がパンチが有るから聴感上は大きく聴こえますね。
悠介:すごい。
桑原:AとBだけですか?
森崎:今のところはね(ニヤッ)。それが決まったら次はケーブルの選択をしますよ。
桑原:(悠介に対して)分かる?あとは、ヨロシク!
悠介:はいはい。(マスタリング席中央にて試聴)
桑原:なんかAの方が聴いてる時に「おおっ!」って思うんですよね。アタックが強くくるからかなぁ。
悠介:こっち(Bタイプ)の方が気持ち真ん中の方が聴こえるような気がする。midのあたりが。
桑原:そうそうそう!でもLowとかはAの方がハッキリしてるのかなぁ。
森崎:レンジはBの方が広いですね。上も下も伸びてるから、ナチュラルに聴こえるんです。ADA-8(A)の方が、どちらかというと周波数特性が少しこうカマボコ型なので、アナログのコンソールを通ったような音のニュアンスに近い、ガッツがありますよね。
上田:聴きやすい感じがあったかな。
森崎:聴きやすいですよね。
桑原:ムキー、わっかんなくなってきた!
上田:好み、じゃないかな。
悠介:もう一回、Aを聴かせてもらっても良いですか?
森崎:好みで選んでOKです!パッと聴きでどんどん良い方を選択してください!
上田:考えると分かんなくなるよ。もうね、第一印象でね。
桑原:ですよね。考えちゃってるよ、私。
森崎:方向性があんまり逸れて僕がアドバイスするから大丈夫。(笑)

♪〜再びAタイプ(PrismSound ADA-8)試聴

森崎:これAタイプ。
桑原:全然違う!
上田:広がり方が違うね。Bタイプの方が、やっぱりレンジが広い。
森崎:そうですね。ライブに例えればBタイプの方が「後ろの席で聴いてる感じ」がします。
桑原 :そう〜〜〜それっ!それですよね!それだ!
森崎: Aの方が前気味。だから、ここ(目の前)に演奏者が居てこれくらいの席で聴いてるイメージはね、Aなんですよ。
桑原:2階席っぽいですよね、Bは!
森崎:精神的にリラックスしてる所で聴けてる感じ。
桑原:でもずっと聴いていたらBな気がする。ね、もっかいBもらっていいですか?
森崎:さっき「音量大きい方が良い」って言ってたじゃないですか。どちらかといえばBの方が小さく聴こえます。これも判断基準の一つですね。

♪〜再びBタイプ(dCS 905)試聴

悠介:クリアーだなぁこれ。
桑原:始まった瞬間は、私Bの方が好きなんですよ。
悠介:瑞々しいというか。
桑原:そう、みずみずしい。Bかな。んあーBな気がしてきた。
悠介:うん、Bいいね。
上田:いいんじゃない、2人ともBの方がいい気がするって言ってるって事は。
桑原:Bでいきます!
森崎:了解です!Bを選択されるっていうことは、普段やっぱり生楽器に一番近いところで音楽を聴いてるからだと思います。比較的ROCK系のミュージシャンはAを選択する方が多いです。JAZZ系の方はBを選択することが多いですね。レコーディングエンジニアさんはAが好きですね。やっぱりミキシングコンソールでミックスした音に近いダイレクトの音ですね。
悠介:普段聴いてる音に近いって事ですね。
桑原:うん。なんか、ちょっと加工されてるっぽく聴こえたんですよ、A。
森崎:それでは次は、24ビット/96kHzのデータをDSD 5.6MHzにアップコンバートしてKORG MR-2000S(DSD)でプレイバックします。

♪〜DSD試聴

悠介:なんかローエンドが凄く出てきた気がするんですけど。
森崎:もう一度PCMを聴いてみます。こちらがPCMです。

♪〜PCM試聴

桑原:こっちかも。うん、私こっちです。
悠介:もう一回DSDを…。

♪〜再びDSD試聴

桑原:ある意味鮮度はこっちの方が高い気もするなぁ…。
悠介:おれこっちかな。
桑原:割れたー!PCMの方が、ピアノの、これ(アタック)は出る気がした。わーかんないですよー!
森崎:別のセッティングを試してもいいですか? DSDでADA-8(Aタイプ)を聴いてみましょう。今回はDSDとdCSのコンバーターの相性が良くないようなので。
桑原:なんか頭が割れそう(泣)
上田:でも楽しいね、なんか選択肢があってね(笑)
森崎:僕の中ではゴールは見えているので大丈夫ですよ(ニヤッ)
桑原 :なんか、ウケる!神様みたい!
悠介:(笑)

♪〜Aタイプ&DSD試聴

森崎:Aタイプで、DSD。ピアノのアタックが出ますね。勝負するんだったらこのセッティングとさっきのBタイプ&PCMかな。
桑原:あっ、良いかもこれー!
森崎:悪くないでしょ。これだとね、ローエンドがそこまで伸びないんですよ。バシッ!と止まるから。もう一度Bタイプ&PCMを聴き比べて決めればOK。DSDにして良くなったのはベースですね。音がが太く、ブリッときますよね!
桑原:それは、思った。
悠介:ベースはラインだけで録ってるから、どうしてもその「ライン臭さ」が残っちゃうのはイヤで。
森崎:これなら、そのライン臭さが無いですね。
悠介:そこが補えてるから良いですね。
森崎:では、Bタイプ&PCM。

♪〜再びBタイプ&PCM

桑原:あぁ〜、全然ベースが違う。
悠介:おれはこっち。
桑原:私は、あっち。また割れた(泣)
森崎:ここから先は話し合いで決めて下さい!(笑)両方とも良いですよ!僕は色々なシステムで聴いて鳴りが良い方を選択しようと思っています。ラージモニターで聴いて良くても、ラジカセやヘッドフォンで鳴りが変わることがあるので。

♪〜再び、Aタイプ&DSD、→再度Bタイプ&PCMをラジカセで試聴

悠介:今のこの環境(ラジカセ)だったら、やっぱり2つ目の、後者(Bタイプ&PCM)がいい。
桑原:あたしも2つ目。
森崎:僕も2つ目。
上田:自分もそう。
桑原:あははー揃った(笑)
悠介:ラジカセで聴いたら明らかに後者が良いですね。
桑原:明らかにそうですね。
森崎:どの辺が良かったですか?
悠介:全部の楽器がハッキリと同じレベルで聴こえてくるって言うか。
桑原:ピアノが特にタッチした時に良いようにアタックが出なかった、Aだと。威圧感に聴こえてしまったから。Bタイプの方がナチュラルに聴こえた気がします。大きいスピーカーで聴くとAタイプのタッチの強さも良い感じに丸みを帯びつつ聴こえるんですけど、これで聴くとそれがダメになっちゃって。
悠介:全体が、ふくよかなんだけどクリアー、そんな印象があります。Bは。
森崎:(沈黙の後に)問題ないと思います。PCMの方はリズム系の音が良かったですね。ミックスマスターが96kHzで録ってあったからかもしれません。今回はDSDにアップコンバートすることで「良い感じ」には変化しなかったと思いました。
桑原:そっか機械にも得意・不得意があるんだぁ(泣)
森崎:本来ならばDSDにアップコンバートすることで音のフォーカスが鮮明になるんだけど、ミックスマスターの情報量が大きかったからそれを素直に再生したPCMがよかったですね。
悠介:録り音が良かったから?
森崎:その通りです。例えば音源が24ビット/48kHzとか、44.1kHzとかだと圧倒的にDSDの方が良い事が多いです。という事で今回は間違いなく後者でいきましょう。Bタイプ&PCM。
桑原:はいっ。
森崎:これ(ラジカセ)で聴いてみると、オケのバランスが良いかどうかが分かるんです。(笑) 「ナチュラルさ」という部分がコンバーターの違いでかなり解決しましたね。
桑原:凄いね。
森崎:(再びラージモニターで再生して)う〜ん、このバランスは完璧です!(笑) ここから先はケーブルでさらに追い込んでいきましょう。

♪〜試聴

森崎:このバランスかなり良いけど、せっかくだからケーブル2、3種類聴いてみますか?(ニヤッ)

− つづく −


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2012年5月15日火曜日

デジタル機器の基準レベルについて

チーフ・エンジニアの森崎です。
本日はデジタル機器の基準レベルについてお話しします。

レコーディング・スタジオにおいてデジタル機器の基準レベルは-16dBFS=0VUが一般的です。オシレーターから-16dBの基準信号(正弦波)を出しVUメーターが0を指すレベルが0VU。デジタル機器ではその基準信号を入力しピークメーターが-16dBを示すように調整しています。

デジタル機器の基準レベルは世界各国によって規定があります。基本的には0dBFSより20dB低いレベルポイントが基準(SMTPE、NAB)になっていますがこの基準レベルはダイナミックレンジの広いクラシックなどの録音を想定した値なので、実際には音楽のジャンルや録音フォーマットの違いにより-18dBFS、-16dBFS、-12dBFSなどの基準レベルを選択しています。

※dBFS
デジタル信号の大きさの単位。FSは「フルスケール」の事でデジタルで表現可能な最大値(フルビット)を指す。 デジタルの最大値を0dBFSとして信号の大きさをdB(デシベル)で表したもの。

それに対しアナログ機器は+4dBm=0VUが標準です。アナログは皆さんご存知の通り0dBを越えても急激には歪まず+6dBくらいから緩やかに歪みが増えていくのですが、デジタルでは0dBを越えると急に歪む(クリップしてしまう)わけです。前者はハーモニックディストーション、サチュレーションなど音楽的に歪むのに対し、後者は電気的な歪み(クリップ)が生じるためこれ以上のレベルでは録音不可能となってしまいます。

デジタル機器で録音する際に瞬間的なピークでも歪まないようヘッドルームまでに16dB分の余裕があるということが-16dB=0VUという基準の意味です。

P.S.
KORGのMR2000Sではアナログ入出力レベルがリファレンスレベルによりつじつまが合うように設計されています。例えば-16dB=0VUの入出力を基準にすると、リファレンスレベル-18dBなら再生レベルが2dB上がります。逆に-14dBでは再生レベルは-2dB下がります。録音、再生の音量を合わせるには、リファレンスレベルの設定を「録音時のリファレンスレベル=再生時のリファレンスレベル」にして下さい。


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2012年5月8日火曜日

ai kuwabara trio project マスタリングの記録(その1)導入編


2012.5.15 on sale
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定価:1800yen

マスタリングの記録(その1)
於2011年3月21日  @Saidera Masteringにて

【マスタリング当日の立ち会い人】
桑原あい:piano, compose 森田悠介:electric bass
上田隆志:recording & mix engineer 森崎雅人:mastering engineer



〜導入〜
森崎雅人(以下、森崎):一般的なマスタリングスタジオはエンジニアがスタジオ中央で機材を操作するスタイルですが。
桑原あい(以下、桑原):はい。
森崎:僕の場合ここ(中央)にあるのはTC Electronic SYSTEM 6000のリモコンだけなんです。機材ラックをスタジオの端にまとめてセッティングしているのはその方が最短で結線できてケーブル伝送のロスが少ないからです。スタジオ中央にアナログ機材をセッティングすると往復で10mくらい引き延ばすことになります。 ケーブルの長さによる音のロスって 実はすごく大きいんです。
桑原:へぇ〜っ!
森崎:鮮度のある音に仕上げるためにはワイヤリングはとても重要です。さらに機材やケーブルの選択で音作りすればEQをいじった時のように位相特性が変わることがありません。正直な事を言うと機材の切り替えは手元でパッチ盤でやったら楽なんですけど。(笑)でも最短距離でつなぎたいから機材を替える時は面倒でもラックの裏に回って接続し直すんです。
桑原:それって、そう手元でやってる人がほとんどですよね?
森崎:そうですね。
上田隆志(以下、上田):うちのスタジオもね、実はパッチ盤使ってなくて、裏でなんだかんだやってるんですよ。(笑)
桑原:あぁ〜〜っ、そういえばなんか裏でいじってましたね!(笑)
森崎:素晴らしい!僕と同じコンセプトでやられていますね。「演奏のリアリティーと音の鮮度」はすごく重要なんです。例えばライブでの演奏があれだけ盛り上がるのは、やっぱり出音の鮮度ですよ。ダイレクト感というか。CDになったときこのフィーリングを大事にしたいです。僕はそういうコンセプトでマスタリングしていますがエンジニアさん一人一人、色々な考え方が有りますね。
桑原:「聴きやすさ」を第一に求めてしまう人は、やっぱり鮮度とかよりかは、いくら「海苔」みたいな波形であっても。
上田:人によってはね、「鮮度が良い」って事は、逆に何かこう、疲れると言えば疲れるって部分もあるし。
桑原:そうですよね、(聴くことに)頭を使ったりするじゃないですか。でもやっぱり、折角だから私も鮮度を大事にしたいかな…。
森崎:演奏の空気感とかグルーヴとかその辺り。
桑原:そう、其処で一緒にこう会話しながら演奏している感じとか、さすがに海苔の波形だと伝わらないかな、とか。安定はしてるのかもしれないけど。
森崎:そうですね。
桑原:せっかく一発録りしているので。
森崎:アーティストの、何ていうか「気」のぶつかり合い、みたいな。
桑原:まさに、ベーシスト(yusuke)はそこ(目の前を差す)で演奏していましたからね。
森崎:「そこ」で演奏している、っていうリアリティーはすごく重要ですよね。
桑原:そうなんですよねぇ。
森崎:僕は自分がリスナーとして聴いた時に、一番伝わってくるサウンドの機材を選択しています。
桑原:あぁ〜、そういう事ですね。

− つづく −




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