チーフ・エンジニアの森崎です。
本日は低域のコントロールについて。
VUメーターはすごく振れているのに音圧感がない。これは人間の耳にはほとんど音として認識されない超低域成分でVUメータが振れているだけで、キックやベースの基本成分が足らない時に起きる現象です。
原因は、
(1)超低域成分の多い音源を選択している。
(2)キック、ベースで、同じ帯域を強調している。
(3)キック、ベースで、ある特定の音域が共鳴している。
マスタリングでの対策は
・キックのみならローカット(ハイパス)フィルターをかける。
・マルチバンドコンプ等で帯域を区切りレベルを下げてみる。
多くの場合はこの二つで解決出来ます。もしベースが原因ならシェルビングEQでその帯域を見つけ下げる必要があります。
ハイパスフィルターの帯域は20Hz~40Hz辺り。
マルチバンドコンプで下げる帯域は80Hz~160Hz以下。
ベースの帯域は25Hz~100Hz辺り。
音の密度が上がりVU計の振れが下がっていればOKです。ヘッドフォン、ラジカセでも低音の鳴りが改善され、聴きやすくなっているはずです。
2010年3月23日火曜日
2010年3月19日金曜日
MR-2000Sを使ってみよう!(その6)「MR-2000S+DJ」
チーフ・エンジニアの森崎です。
「EMMA HOUSE 18」の音源はEMMAさんのMR-2000S(WSD5.6MHz)で持ち込まれました。以前「MR-2000Sを使ってみよう!その3」で書きましたが
『MR-2000Sにはピンの入力、出力が付いているのでUREI1620の出力をそのまま録音出来る』
『この方法だとDJがマスタリングスタジオでプレイしてそのままマスタリングしたかのような、昔のダイレクトカッティングのようなことが可能』
この二つを実際に体験することが出来ました。WSD5.6MHzのサウンドはプラスもマイナスもないそのままのサウンドなのでDJの細かなプレイを余すことなく録音出来ます。音源のプレバックを聴いて最初に感じたことはEMMAさんのボリューム感、つなぎのテクニック、グルーヴがダイレクトに伝わる。そして暖かくファットで抜ける低域でした。
上記の二つの要素をなんとかしてCDに入れてみたいという気持ちでマスタリングしました。音量をギリギリまで入れるというサウンドではなく、ヘッドルームを生かして曲ごとの音量感、ダイナミックスを生かした音作りです。ぜひ、沢山の方に聴いて頂きたいですね。
「EMMA HOUSE 18」の音源はEMMAさんのMR-2000S(WSD5.6MHz)で持ち込まれました。以前「MR-2000Sを使ってみよう!その3」で書きましたが
『MR-2000Sにはピンの入力、出力が付いているのでUREI1620の出力をそのまま録音出来る』
『この方法だとDJがマスタリングスタジオでプレイしてそのままマスタリングしたかのような、昔のダイレクトカッティングのようなことが可能』
この二つを実際に体験することが出来ました。WSD5.6MHzのサウンドはプラスもマイナスもないそのままのサウンドなのでDJの細かなプレイを余すことなく録音出来ます。音源のプレバックを聴いて最初に感じたことはEMMAさんのボリューム感、つなぎのテクニック、グルーヴがダイレクトに伝わる。そして暖かくファットで抜ける低域でした。
上記の二つの要素をなんとかしてCDに入れてみたいという気持ちでマスタリングしました。音量をギリギリまで入れるというサウンドではなく、ヘッドルームを生かして曲ごとの音量感、ダイナミックスを生かした音作りです。ぜひ、沢山の方に聴いて頂きたいですね。
2010年3月16日火曜日
サイデラ・モーニングセッション#010終了しました!
どうもMUSHです!
サイデラ・モーニングセッション#010終了です!

今回はテーマが「ハンディ4chレコーダーZOOM H2での制作の可能性をさぐる」ということで、ZOOM H2でレコーディングした音の試聴と、キングクリムゾン「クリムゾンキングの宮殿」(サイデラ・モーニングセッション#002でも試聴しました)を再生してそれをH2で録音、再生してオリジナルと比較ということをしました!

↑変換ネジを用いてマイクスタンドにマウント
ZOOM H2はフロントが90°のXYステレオ、リアが120°のXYステレオの4ch録音が可能なハンディレコーダーですが、この「小さな巨人」の内蔵マイクの特性や定位感の特徴が見えてきました!ポケットサイズを活かした制作やさらにH2でサラウンドPodcast配信などをテーマに再度開催したいと思います!

↑波の音を収音。後方に防砂林があり音が反射してきます。
次回のサイデラ・モーニングセッション #011は2010年3月25日(木)開催予定です!終了しました。
サイデラ・マスタリングの「サイデラ・モーニングセッション」
主宰:SDP サラウンド戦略推進室 担当F.P. MUSH
・サラウンドを体験、研究してみたい方ならどなたでもお申し込みいただけます。
・毎月5のつく日の朝9:00-10:00の時間帯(スタジオ・スケジュールの都合により8:45-9:45)
・パソコン(LAN使用可)、新聞、雑誌、クロワッサンなどの持ち込みOK。
サイデラ・モーニングセッション#010終了です!
今回はテーマが「ハンディ4chレコーダーZOOM H2での制作の可能性をさぐる」ということで、ZOOM H2でレコーディングした音の試聴と、キングクリムゾン「クリムゾンキングの宮殿」(サイデラ・モーニングセッション#002でも試聴しました)を再生してそれをH2で録音、再生してオリジナルと比較ということをしました!
↑変換ネジを用いてマイクスタンドにマウント
ZOOM H2はフロントが90°のXYステレオ、リアが120°のXYステレオの4ch録音が可能なハンディレコーダーですが、この「小さな巨人」の内蔵マイクの特性や定位感の特徴が見えてきました!ポケットサイズを活かした制作やさらにH2でサラウンドPodcast配信などをテーマに再度開催したいと思います!
↑波の音を収音。後方に防砂林があり音が反射してきます。
サイデラ・マスタリングの「サイデラ・モーニングセッション」
主宰:SDP サラウンド戦略推進室 担当F.P. MUSH
・サラウンドを体験、研究してみたい方ならどなたでもお申し込みいただけます。
・毎月5のつく日の朝9:00-10:00の時間帯(スタジオ・スケジュールの都合により8:45-9:45)
・パソコン(LAN使用可)、新聞、雑誌、クロワッサンなどの持ち込みOK。
2010年3月15日月曜日
Saidera Masteringのモニター環境(その5)「SONY TA-DA9100ES」
チーフ・エンジニアの森崎です。
サイデラ・マスタリングではモニターアンプにソニー マルチチャンネルインテグレートアンプ TA-DA9100ESを使用しています。このアンプは、かないまること金井隆氏が音質にかかわっている、ソニーが開発、設計した入魂のアンプです。
金井氏は、弊社オノとはフルートアンサンブル「LYNX」などの仕事を通じても、たいへんお世話になっている、良き時代のソニーを代表するスーパーエンジニアです。オノは「プロサウンド」の連載記事で、金井さんはじめ関係者に開発ストーリーをロングインタビューしています。(←バックナンバーがどうしても見つからない場合、ご希望の方には、お名前、会社名、Eメールアドレスをお知らせいただければ、限定5名様までPDF資料をさし上げます。)
AVアンプとオーディオアンプの音の違いはAVアンプは色づけが少ないこと。オーディオアンプの場合はフラットなバランスといっても何かしらの色づけがされています。
2008年の暮れのスタジオリニューアルの際にTA-DA9100ESをマスタリングのリファレンスアンプとしても採用しました。(それまでも、サラウンドモニターにはTA-DA9100ESを使用していました。)僕自身サイデラ・マスタリングではアナログアンプのボルダー500AEをBTL接続で使っていたので、TA-DA9100ESがPMC MB1を十分に鳴らせるだけのパワーがあるのか少々不安でした。
しかし、それはTA-DA9100ESのサウンドを初めて聴いた時に全くなくなりました。とにかくレンジが広くハイスピードで立ち上がりが速い。そして圧倒的な歪みの少なさ。マスタリングの細かな音作りにも的確に反応してくれます。デジタルアンプだけど音ニュアンスは真空管アンプに近いと思いました。TA-DA9100ESはサラウンドに対応していて、各チャンネル200ワットの大パワーです。
音楽の抑揚を表現するには音の瞬発力が特に大切です。クラッシックのオーケストラでのff、R&Bの立ち上がりの速いキックの音が、生き生き鳴ってくれました。
マスタリングの作業では音量を固定しての作業がとても重要ですが、デジタルアンプなので0.5dBステップのボリュームで毎回確実な値に固定出来ること、また電源を入れてから音が安定するまでの時間がきわめて短いこと、消費電力が少ないことなどデジタルアンプならではの恩恵がたくさんありました。使いこなしや詳しい説明はこれから説明していきますので、楽しみにしていて下さい。
★カタログにはでていない開発ストーリーが「かないまる」にも。
サイデラ・マスタリングではモニターアンプにソニー マルチチャンネルインテグレートアンプ TA-DA9100ESを使用しています。このアンプは、かないまること金井隆氏が音質にかかわっている、ソニーが開発、設計した入魂のアンプです。
AVアンプとオーディオアンプの音の違いはAVアンプは色づけが少ないこと。オーディオアンプの場合はフラットなバランスといっても何かしらの色づけがされています。
2008年の暮れのスタジオリニューアルの際にTA-DA9100ESをマスタリングのリファレンスアンプとしても採用しました。(それまでも、サラウンドモニターにはTA-DA9100ESを使用していました。)僕自身サイデラ・マスタリングではアナログアンプのボルダー500AEをBTL接続で使っていたので、TA-DA9100ESがPMC MB1を十分に鳴らせるだけのパワーがあるのか少々不安でした。
しかし、それはTA-DA9100ESのサウンドを初めて聴いた時に全くなくなりました。とにかくレンジが広くハイスピードで立ち上がりが速い。そして圧倒的な歪みの少なさ。マスタリングの細かな音作りにも的確に反応してくれます。デジタルアンプだけど音ニュアンスは真空管アンプに近いと思いました。TA-DA9100ESはサラウンドに対応していて、各チャンネル200ワットの大パワーです。
音楽の抑揚を表現するには音の瞬発力が特に大切です。クラッシックのオーケストラでのff、R&Bの立ち上がりの速いキックの音が、生き生き鳴ってくれました。
マスタリングの作業では音量を固定しての作業がとても重要ですが、デジタルアンプなので0.5dBステップのボリュームで毎回確実な値に固定出来ること、また電源を入れてから音が安定するまでの時間がきわめて短いこと、消費電力が少ないことなどデジタルアンプならではの恩恵がたくさんありました。使いこなしや詳しい説明はこれから説明していきますので、楽しみにしていて下さい。
★カタログにはでていない開発ストーリーが「かないまる」にも。
2010年3月14日日曜日
音の厚みを表現する(その2)「音の厚みと周波数の関係」
チーフ・エンジニアの森崎です。
本日は音の厚みを表現するテクニックの応用です。
作業環境や機材により音が前に出て厚みを増す周波数には関連性があることがあります。例えば100Hzでキック、1kHzでスネアが太い音になるということです。ただ、SNの音は気に入っているけどキックはもう少しタイトにしたい、という場合、「音の厚みを表現する(その1)」にある、
キックをタイトに(抜けを良く)したい場合は強調する周波数を120Hz、140Hz、160Hz、180Hzなど、少し上の帯域にします。同じようにSNをタイトにしたい場合1.2kHz、1.4kHz、1.6kHz、1.8 kHzを強めてみて下さい。
僕のマスタリングでは121Hz、125Hz、126Hz、128Hzなど、さらに細かくに調整しています。このノウハウはヴォーカル、ギター、ベースなど、いろいろ応用出来ますのでぜひ試してみてください。
本日は音の厚みを表現するテクニックの応用です。
作業環境や機材により音が前に出て厚みを増す周波数には関連性があることがあります。例えば100Hzでキック、1kHzでスネアが太い音になるということです。ただ、SNの音は気に入っているけどキックはもう少しタイトにしたい、という場合、「音の厚みを表現する(その1)」にある、
“周波数が100Hzに近いほど厚みが出ますが抜けは悪くなります。が応用出来ます。
1kHzに近いほど抜けは良くなりますが厚みは出にくくなります。”
キックをタイトに(抜けを良く)したい場合は強調する周波数を120Hz、140Hz、160Hz、180Hzなど、少し上の帯域にします。同じようにSNをタイトにしたい場合1.2kHz、1.4kHz、1.6kHz、1.8 kHzを強めてみて下さい。
僕のマスタリングでは121Hz、125Hz、126Hz、128Hzなど、さらに細かくに調整しています。このノウハウはヴォーカル、ギター、ベースなど、いろいろ応用出来ますのでぜひ試してみてください。
2010年3月12日金曜日
EMMA HOUSE 18 MIXED BY DJ EMMA
どうもMUSHです!
先日はDJ EMMAさんの「EMMA HOUSE 18 MIXED BY DJ EMMA」のマスタリングがありました!
さんも自前のKORG MR-2000Sと電源ケーブルを持ち込まれました!5.6MHz DSDです!


「クラブの空気感、心地いいアナログ感のある抜けを表現してみました。ゆとりのある低域、特にベースの透明感はDSDならではですね。」(チーフエンジニア森崎)
2010年3月31日発売です!
先日はDJ EMMAさんの「EMMA HOUSE 18 MIXED BY DJ EMMA」のマスタリングがありました!
「クラブの空気感、心地いいアナログ感のある抜けを表現してみました。ゆとりのある低域、特にベースの透明感はDSDならではですね。」(チーフエンジニア森崎)
2010年3月31日発売です!
2010年3月10日水曜日
音の厚みを表現する(その1)「楽器の鳴りを表現する」
チーフ・エンジニアの森崎です。
本日は音の厚みを表現するEQのテクニックを説明します。
音の厚みを出すには部屋の響きではなく楽器自体の響きを表現する必要があります。ドラムの胴鳴り、ギターアンプ、ベースアンプの箱鳴り、ヴォーカルの胸の共鳴、アコースティックギター、ヴァイオリンのボディーの響きなど。EQでは100Hzから1kHzまでの間の帯域を強調することで、音に厚み、暖かみ、ふくよかさをプラスすることが出来ます。
「楽器ごとの周波数」
ドラムの胴鳴り→100Hz~300Hz
ギターアンプ、ベースアンプ→100Hz~500Hz
アコースティックギター、ヴァイオリンのボディーの響き→100Hz~500Hz
ヴォーカル→200Hz~1kHz
周波数が100Hzに近いほど厚みが出ますが抜けは悪くなります。
1kHzに近いほど抜けは良くなりますが厚みは出にくくなります。
ポイントは一つの帯域ではなくいくつかの帯域に分けて、必要な帯域のみ強調することです。例えば、100Hz、250Hz、700Hzの3つの帯域をQを少し狭めて強調すると、ドラム、エレキギター、ヴォーカルの厚みを同時に出すことが出来ます。声質、楽器によっても帯域、Qの幅、レベルは様々ですので、いくつかのパターンを作ってみて聴き比べて下さい。
p.s.
ここまで述べたのは「音の厚みを表現するEQのテクニック」ですが、視点を変えて。なぜ、ちょっとしたEQにより、スピーカーから出た音が変化するのかというヒントになる「ROCK ON PRO」の記事がこちらにあります。かなり専門的ですが、物理が好きな方はどうぞ熟読ください。
http://pro.miroc.co.jp/2010/01/20/build_up_your_studio/
本日は音の厚みを表現するEQのテクニックを説明します。
音の厚みを出すには部屋の響きではなく楽器自体の響きを表現する必要があります。ドラムの胴鳴り、ギターアンプ、ベースアンプの箱鳴り、ヴォーカルの胸の共鳴、アコースティックギター、ヴァイオリンのボディーの響きなど。EQでは100Hzから1kHzまでの間の帯域を強調することで、音に厚み、暖かみ、ふくよかさをプラスすることが出来ます。
「楽器ごとの周波数」
ドラムの胴鳴り→100Hz~300Hz
ギターアンプ、ベースアンプ→100Hz~500Hz
アコースティックギター、ヴァイオリンのボディーの響き→100Hz~500Hz
ヴォーカル→200Hz~1kHz
周波数が100Hzに近いほど厚みが出ますが抜けは悪くなります。
1kHzに近いほど抜けは良くなりますが厚みは出にくくなります。
ポイントは一つの帯域ではなくいくつかの帯域に分けて、必要な帯域のみ強調することです。例えば、100Hz、250Hz、700Hzの3つの帯域をQを少し狭めて強調すると、ドラム、エレキギター、ヴォーカルの厚みを同時に出すことが出来ます。声質、楽器によっても帯域、Qの幅、レベルは様々ですので、いくつかのパターンを作ってみて聴き比べて下さい。
p.s.
ここまで述べたのは「音の厚みを表現するEQのテクニック」ですが、視点を変えて。なぜ、ちょっとしたEQにより、スピーカーから出た音が変化するのかというヒントになる「ROCK ON PRO」の記事がこちらにあります。かなり専門的ですが、物理が好きな方はどうぞ熟読ください。
http://pro.miroc.co.jp/2010/01/20/build_up_your_studio/
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