2009年10月15日木曜日

サンプリング周波数とは(その1)「DASH機器」

チーフ・エンジニアの森崎です。
これからシリーズでサンプリング周波数、同期について分かりやすく説明して行きます。
デジタルオーディオ機器では記録再生される音楽信号は全てデジタルデータとして扱われます。記録時にはサンプリング周波数周期でアナログ信号だった音楽信号がデジタル信号に変換され、再生時には記録されたデジタル信号がサンプリング周波数周期でアナログ信号に戻されます。

最近のレコーディングはDAW全盛の時代ですが、デジタルテープレコーダー(※DASH機器)のサンプリング周波数とテープの速度についてお話しします。そのほうがイメージがわかりやすいと思いますので。

↓↓↓SONY PCM-3348
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それではサンプリング周波数が44.1kHzと48kHzについて考えてみます。サンプリング周波数が44.1kHzということは1秒間に44100個のデータをサンプリングして、テープに記録する必要があります。一方サンプリング周波数が48kHzの時は同様に48000個のデータを記録しなければいけません。

当然48kHzのほうが記録しなければいけないデータの数(量)が多いです。もし同じテープ速度で記録すると、テープの同じ面積に記録するデータの数を比べると、48kHzの方が多く、記録密度が高くなってしまいます。

●44.1kHzの時は1秒間に44100個のデータをサンプリングしてテープに記録。
●48kHzの時は 1秒間に48000個のデータをサンプリングしてテープに記録。
したがって、48kHzの方が1秒間にテープに記録するデータ量は多い。

そこでDASHではサンプリング周波数が異なっても記録密度が同じになるように、サンプリング周波数に合わせてテープの速度を変化させ、その結果常に記録密度が一定になるというわけです。

(注)DASHフォーマット=世界的規模での互換性を実現すべく、広く世界に提案された固定ヘッドによる業務用デジタルオーディオテープレコーダーフォーマット。1/4インチ・2チャンネルから1/2インチ・48チャンネルまで規格が網羅されています。

僕が音響ハウスでアシスタントをしていた頃、レコーダーといえばSONY PCM-3348でした。こちらも上に書いたDASHフォーマットの代表機器です。新人の頃、まず最初にする仕事はテープのフォーマット(プリストライプ)でした。新品テープのままではデータを記録することが出来ない(音を録音することが出来ない)のでそのための下準備をする作業です。

先輩から「44.1kHzを2本と、48kHzを3本ね」とテープを渡されるのですが、どうして44.1kHzの方が記録時間が長いのか?分からず質問したり書籍で調べたりして、ようやくこの事実に気がついた時は一人で感動した思い出があります。

それでは次回はテープのフォーマットとは?についてお話ししたいと思います。

2009年10月8日木曜日

クロック

チーフ・エンジニアの森崎です。
AD、DAコンバーターなどの機材の選択がマスタリングでは大切ですが、クロックの選択も忘れてならないことですね。

クロックには大きく内部クロック(インターナルクロック)とワードクロックがあります。前者はデジタル機器がそれぞれ持っている基準信号、後者は2台以上の機材を同期するために用いる基準信号です。ワードクロックはAES/EBU、S/P DIFのように音声と一緒に1本のケーブルで送る場合と、BNCケーブルなどで音声とは別に送る場合があります。

例えば、ADコンバーターを使う場合インターナルクロックで動作させるか、ワードクロックで外部同期をかけるかでサウンドは微妙に異なります。僕はインターナルクロックはレンジと定位がワイド、それに対しワードクロックは定位がしっかりした音像のハッキリしたサウンドに感じました。

↓ADコンバーターdBTechnologies4496。一番右のトグルスイッチがクロックソースの選択
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ワードクロックを入力するよりもインターナルクロックのほうが音がいい機材も沢山ありますので、あくまで耳を基準に選択していただきたいと思います。ワードクロック、同期については次回、詳しくお話しする予定です。

(主なデジタルフォーマットと特徴)
*S/PDIF(Sony Philips Digital Interface)
CDやDAT、MDなどのコンシューマー向けの機器に使用され、伝送方式は同軸ケーブル対応(COAXIAL)または光ファイバー対応(OPTICAL)の2種類があります。

*AES/EBU
AES(Audio Engineering Society)とEBU(European Broadcasting Union)が確立たフォーマット。
1回線で2チャンネル分の信号に対応しているのが特徴で、通常XLR(キャノン)、D-SUBケーブルで接続。

*ADATオプティカル
米国ALESIS社の提唱したデジタルマルチトラックのフォーマット。光ファイバー1回線で8チャンネル分のデータを同時に伝送する方式。

*TDIF-1(Tascam Digital Interface)
ティアック(タスカム)社が提唱するデジタルインターフェース規格。D-sub25ピンの専用ケーブルで8チャンネルの入出力を伝送する方式。

*SDIF-2
2chのデジタルオーディオ信号をL,R,Wordclockの3本のBNCケーブルで伝送。マルチトラックレコーダーにおいてはD-SUB50ピンとBNCケーブルのWordclockの組み合わせで伝送。前者はPCM-1630、DAE-3000といった3/4マスターを作る機材に、後者はPCM-3324、PCM-3348で使われているフォーマット。

*SDIF-3
SDIF-2のハードウェアを元にDSD信号を伝送できるようにプロトコルを変更したもの。

2009年10月3日土曜日

リミッターの使いこなし(その3)「シーリングレベルを追い込む」

チーフ・エンジニアの森崎です。

Pro Toolsで作業していてプレイバックは問題なかったのに、バウンスしたらレベルオーバーしてしまった。iTunesなどでMP3ファイルに変換したら音が歪んでしまったという話を聞いたことはありませんか?本日はリミッターの使いこなし(その3)「シーリングレベルの設定」について。

このような現象は「True-Peak」と「Sample-Peak」の誤差により、サンプリングレート、ビットレート変換する時に生じる現象です。一番簡単な対策はレベルを下げることですが、シーリング(天井)レベルを変えられるリミッターを使えばあらかじめ防ぐことができます。

まずはじめにあなたのお気に入りのリミッターの癖を把握しましょう。どのような機材を使う場合でも機材の癖や特徴を理解することが良いサウンドを作るための使いこなしの基本です。時間はかかりますが一番確実な方法です。

まずはシーリングレベルを0dBに設定してください→サウンドは歪みました。次にシーリングレベルを-0.1dBにしてみます→歪んでいません。さらに細かく設定可能な機材だったら-0.05dBで聴いてみます→歪んでいます。このように細かくレベル調整をしてギリギリ歪まないシーリングレベルを見つけて下さい。その値からほんの少し下げておけばこれから作るマスターは歪むことはありません。(この値はジャンルなどいろいろな要素で変わってきますが)ギリギリまで入れられる設定、安全レベルの設定、などいくつか決めておくとピークオーバーのことを心配せずに音に集中して作業することが出来ると思います。

僕自身はオリジナルのセッティングでシーリングレベルはゼロでギリギリまでレベルを入れることが出来ます。ソフトリミッティング、ヴォーカルアップ、音を輝かせるセッティングなどリミッターのセッティングだけでもいくつもの方法がありますので、こちらはぜひ立ち会いマスタリングで体験しにいらしてください!


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2009年9月18日金曜日

MR-2000Sを使ってみよう!(その1)「SDM版クイックマニュアル」

みなさんどうもMUSHです!

「KORG MR-2000S」耳にタコができると言われるかもしれませんが、サイデラ・マスタリングのスタッフは指にタコができるくらいMR-2000Sを操作していますよ!
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しかしDAW全盛の今、単体のレコーダーを使う機会も少ないですよね!KORG MR-2000Sは1Uのスマートなルックスに似合わずかなり細かい設定が可能です!「マニュアルを一から読むのはちょっと...」という方や初めて使用する方のために、サイデラ・マスタリングでは、現場で録音する前に再確認する項目を中心に、すぐ使える *クイックマニュアル* を作成しました!

ぜひこのマニュアルを活用いただいて、ひとりでも多くの方に2009年式サイデラ・マスタリングを体験して頂きたいと思います!

<<KORG MR-2000S クイックマニュアル(by Mush & Morisaki SDM version)>>はコチラ→→→

<<KORG MR-2000S 1-Bit Studio Recorder : 正規の取扱説明書(著作権は株式会社コルグに帰属します)>>はコチラ→→→

2009年9月16日水曜日

大人気アイテム!その2



どうもMUSHです!


先日の記事で下から読んだら惜しいねジョルジ・ベンジョールの5.6MHzDSDリマスタリングについてちょこっとお話ししました!


サイデラ・マスタリングはブラジル・ラテン音楽、ジャズのDSDリマスタリングをこんなにも早くからこんな名盤でやっているんです!


→→→DSD REMASTERING BY SEIGEN ONO です!


そんなサイデラ・マスタリングの一角に、、、。


↓↓↓?


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↓↓↓???


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↓↓↓?!?!?!?


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一体コレが何かはまた次回!


MUSH





2009年9月11日金曜日

DSD制作の「ATAK015 for maria」リリースです!

ATAK015 for maria


 DSD Recording
& DSD Mixing
& DSD Mastering by Seigen Ono
で制作された、
ATAK015 for maria/Keiichiro Shibuya
が本日リリースとなっています!渋谷慶一郎さん初のピアノソロの作品ですが、ホールでのレコーディングからミックス、マスタリングまで一貫してDSDにて制作されました!
↓↓↓ホールでMR-2000Sx3でのDSDレコーディング
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気づかれたかもしれませんが、物音ひとつないホールでこんなに近くにレコーダーがあって動作音は入らないの?と。このMR-2000S、めちゃめちゃ静かなんです!ファンやHDDの動作音なんかもなく、なのでケーブルも最短で最高の鮮度で音をとらえられるんですね!いろいろな所で話題の作品です、渋谷慶一郎さんから目が離せません!

2009年9月2日水曜日

空調管理の重要性

チーフ・エンジニアの森崎です。

スタジオの管理で忘れてはならないことは空調管理です。地味なことですが音にはものすごく影響します。

サイデラ・マスタリングでは楽器はもちろんのこと、スピーカー、ヘッドフォンなどで良い音が出るようにスタジオの湿度を60%前後に保っています。スタジオには温度計だけではなく湿度計も必要です。
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基本的にはエアコンの温度調節と2台の除湿器を常に回しています。除湿器はスタジオ内に置くと効きすぎてしまうので前室に置いています。部屋の空気が湿っていると音が地味になるだけではなく、ケーブルの酸化を早めたりコンピューター内に結露を引き起こし大きなトラブルの原因となります。ご存知だと思いますがアメリカ東海岸やハワイのサウンドが乾いているのは、町の空気が乾いていて楽器の響きがきれいだからですね。日本のスタジオでも湿度管理をしっかりとすればそのようなサウンドに近づけることが可能です。

また温度が高くなる機材は、時間が経つと熱暴走を引き起こす可能性がありますので、機材ラックの裏に小さな扇風機を取り付け空気が循環するようにしています。この扇風機は狭い場所に機材を置く場合、壁から機材までの距離が近い場合にはとても効果的です
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